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夜空の月が笑う時  作者: ぶちょう
地獄編
3/63

欲しいものはだいたい二丁目にある

今日は仕事が休みだから遅くまで寝てていいはず…。そういえば昼頃からロットたちと二丁目に買い物に行くんだっけ。…そう、たしか一時に。

枕元の懐中時計を見る。時計の針は一時半を指していた。

「あ、やべ…」


「もー、やっと来た!グランなにやってんねん!」

「遅いぞ!」

「すまんすまん」

そう、今日は休暇を利用してオレの服を買う予定だったんだ。着の身着のまま地獄に落ちちまったからな。

ちなみに今回のメンバーはロットとロゼ。ジオを連れて行かなかったのは分からないでもないが「面倒くさいから」らしい。

オレは二人に連れ回され、服を合わされ、結局買ったのは三着。

ひとつ目は式典用に黒に青の線が入った騎士のような服。

ふたつ目は動き易い黒と紫を基調とした服。

みっつ目は同様に動き易い黒と白を基調とした服。

文化の違いのせいで人間界とは多少服のデザインが違っていたが、気にする程ではなかった。あと、護身用の短剣を一本。

「いや~楽しかったぁ!」

買い物が終わり、時計も六時を指していたからそろそろ帰ろうかとなったとき、

「あ、アイス売ってる!」ちらっ

「ほんまや、おいしそう~」ちらっ

「………」

オレは二人にお礼がてらアイスを買わされる羽目になった。オレが金無いこと知ってるだろうが…。


挿絵(By みてみん)


次の日。

オレは早速昨日買った短剣を腰に挿してみた。目測通り、短剣は執事服のジャケットにちょうど隠れた。これならバッコスにとやかく言われることはないだろう。

部屋から出ると、そこには案の定メリアが居た。

「…おはよう」

「はいおはようさん」

メリアは付いて来るが特に危害を加える訳ではないからもう馴れた。さて今日も掃除するか。

「…今日、東塔掃除」

「ああ…そうだったな」

なんでオレの予定知ってんだこいつ…。

「じいや…」

じいやというのはメリアの家庭教師をしているバッコスのことだ。

「じいやの手帳に書いてあって…」

「おい」

バッコスは人の予定が書いてあるの手帳なんて見せないはず。お前絶対覗いただろ。

とにかく、オレ(とメリア)は東塔に着いた。東塔というのは魔王城の東の離れに在る塔で、王宮魔導師の研究所だ。ちなみに西塔も在り、そこには王宮魔術師の研究所になっている。

東塔と本城を繋ぐ渡り廊下を歩いていたらロゼに会った。

「グランやん。こんなところに何の用?」

「お掃除に参りましたよ」

「そうなんや。ご苦労さん…あら、メリアちゃんは?」

メリアがオレの足元から顔を出す。

「…おはよう」

「ああこいつは気にすんな。ただ付いて来てるだけだから」

「気にすんなって…。そうだメリアちゃん、昨日綺麗な石ができたんや。見てみる?」

「…」こくり

「よしじゃあ行こか。グラン、掃除よろしくな」

「へいへい」

東塔に入るとジオが居た。

「ジオじゃねえか」

「オレもここの掃除なんだよ。聞いてなかったか?」

「あー…」

超うろ覚え。

「とにかく、掃除するぞ」

「はいよ」


「…あなたがたが、今日の掃除係りですか?」

ちょっとギャグ要素入れてみました。

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