前日譚
既存の記録
2016年 5月26日 木曜日
私は『天音咲夜』。今は中学3年。今日から思い出作りの一環で書こうと思って、執筆している。
最近、幼馴染のりーちゃん(美咲梨沙)の家に遊びに行った時に小学校のアルバムを見て、思いつきで書き始めた。
まぁ……毎日は多分無理だと思うから、たまに印象に残ったことを書いて行くつもり…………。
今日の出来事として、りーちゃんと一緒に街へ服を買いに行った。
白いワンピースの可愛い服があったからつい衝動的に買っちゃった。
その後、りーちゃんの家で人生ゲームして遊んだ。
りーちゃん、拗ねてたの少し可愛かった。でも、また遊ぶと約束して帰宅した。
もし将来、未来の私が振り返って見てたらいいなぁ…………。
2016年 6月 6日 月曜日
もうすぐ期末テストだから、勉強するため幼馴染のりーちゃんともう一人あーちゃん(月上新太)と一緒にお泊まり会を昨日あーちゃん家で夜中まで勉強していた。
わからないところは、あーちゃんのお姉ちゃんのはーちゃん(月上遥)に教わりながら何とか今日の期末テストは乗り切れた気がした。
あーちゃんはりーちゃんとは幼なじみで、いつも二人で色んなところに遊びに行ってたらしい。
今は私も含め、仲良し三人組!!
親が同じ仕事場で働いているのも大きいのかな?
2016年 6月 12日 日曜日
今日はお父さんとお母さんが働いている仕事場に見学しに行った。正直あんまり面白くはないし、退屈だった……。
苔とかは生えてて『船』と呼ぶには形が崩れている。
けど『トキの方舟』の実物を見れただけでも良かった。
一部を引き上げたとの歴史の授業で教わったけども想像以上に大きかった。明日二人に話そう……。
それと来週の土日はあーちゃん家でりーちゃんとお泊まり会をするから楽しみだなぁ……。
2016年 6月 16日 木曜日
今日、両親と喧嘩した「今週の土日も私達の研究施設に来い」と言われた。
その日はお泊まり会だったから嫌だと言ったけど聞く耳持たれなかった。
なんで? どうしていつも私のことを否定するの、小さい時から家族の思い出なんて、一度も作ったことないのに、自分達の都合で自分の子供の将来とかも勝手に決めて、なんで私に選ばせてくれないの?
どうして私を見てくれないの?
…………だから私は親が嫌い…………親もきっと、私のこと嫌いなんだ…………。
2016年 6月 20日 月曜日
結局、土日、お泊まり会は行けなかった…………。
二人は「また今度やろう」と言ってくれたけど私にとって二人の前だと本当の私でいられる。私の寂しさを埋めてくれる。
だからやっぱり…………私はお父さんとお母さんが嫌い。私のことをちっとも見ていない。仕事場に行ったってよくわからない部屋で一人でいるだけ、だったら、あーちゃんとりーちゃんとずっと一緒にいたい…………。
一人ぼっちは寂しい…………。
2016年 6月 23日 木曜日
今日、2組のクラスの男の子に告白された。
だけど、私には好きな人がいる。 だから、申し訳ないけど断った…………。
私は昔から彼の背中を見て、彼が大きくなるにつれて私はあなたのことを思うようになっちゃったから…………。
私は彼のことをずっと想い続けているし、いつか私の気持ちを知って欲しい…………。
でも、彼は多分彼女のことが好きだと思う。彼と彼女はずっと二人でいるし多分彼女も彼のこと好き、だから……私は……。
2016年 6月 25日 土曜日
今日、珍しく両親に心配された…………。
研究施設を見学していたら私はたまたま落ちてた“黒い釘”のような物を拾った。
その時、ちょうど部屋にお母さんが入って来て私を見てすぐに大声で「持っている物を離してッ!!」と怒鳴ってた、私はびっくりして持っていたものを床に落とした。
私はまた怒鳴られると思ったけど、お母さんは心配な顔をしながら別の部屋で身体検査を受けさせられた。
だけど、あの心配された顔が忘れられない。
初めて親に心配されて今でも戸惑ってる。
結局、体には異常はなかったけど何であの釘みたいな物を警戒してるんだろう?
お父さんとお母さんは一体何の研究をしているんだろう…………?
2016年 7月 5日 火曜日
最近、体の全身がチクチクする痛みが止まらなくなってきたし視界も悪くなってきたし、何が原因かもわからない、でも一番心配してたのは両親にだった。
いつも私のことを見ないで私のことが無関心の両親が私を大事にしてくれた。
だけど、病院に行っだけど原因は不明だった…………このまま私、死んじゃうのかな…………。
嫌だ……怖い、怖い、怖い、…………死にたくない、死にたくないよう…………。
助けて………………。
2016年 7月 13日 水曜日
今日、お父さんから明日アメリカに引っ越すって言われた……。
アメリカの研究施設で私の病気を治すって言われた。
嫌だよ……あーちゃんとりーちゃんに会えなくなるなんて…………嫌だよ…………。
私の体から『硬い結晶』みたいなのが生えてきて痛くて気持ち悪いし、視界がほとんど見えてない。
もう人の顔が見にくい……。
嫌だ……もう一度、二人の顔が見たいよ…………。
私はまだ、あーちゃんに告白もしてないのに…………。
――西暦2132年――5月――
「記録……彼女の残存していたデータの一部、復元完了……」
二人の彼女達は、旧世界の建物にいた。
「これが人間っていう生き物、私たちの生みの親ってやつか…………」
「そうよ……だけど、これからあなたには彼女の魂のデータを救出するのが任務。だからしっかり引き締めて!」
そう言われ一人の女性が装置の前に立つ、そして“彼女だった白骨”を見つめ…………。
「今……終わらない夢から助けてあげるね」
そう言い残し、彼女の意識データを『楽園ノ夢』へ飛び込んで行った。




