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幻想廻帰  作者: 創真
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三章 旧世界

 私はシャルとヘロから“外”の世界、現実の世界がどうなってるか聞く…………。


「だから人類が滅びてもう…………“93年前”になるかしらね……」


 耳を疑った。

 ヘロから伝えられた真実。


「そ、そんな前から…………」


「わ、私は……じゃあ私は何なの!?」

「今の私って!?」


 自分が何故、ここに存在しているのか尋ねる。

 そして、ヘロは答える。


「1965年…………太平洋、ハワイ諸島付近の海域で、“西暦約100年頃の古代の沈没した船”が発見されたの……」


「そこで、人類は“神の知恵”……」

「人類はそれを『オムニエンティア』と呼称し、人類文明の技術が発展していったのよ」


 あまりにも専門用語だらけだし、イメージできない。


「ねぇ……イメージできないんだけど、それ発見されて何ができたの?」

「例えば“形”とか」


「人類文明の記録にはそういう具体的な事は記載されてなかったの……」


「でも、どのぐらい凄いのかって言ったら、アンドロイド、人工知能、兵器、ネットワーク……全ては『オムニエンティア』に記録されていた存在」

「端的に言うと『全ての技術のオリジン』ってところかしら?」


「それじゃ…………あなた達もその…………」


「そう……あたし達も『オムニエンティア』のデータベースから出た設計を元に生み出されたの」

「まぁ……人類が滅びた後にあたし達の“神様”によって再設計されたんだけどね」

 

 そう言いながらシャロは胸を開き中の『血色のクリスタル』を見せる。

 

「それ…………何?」

 

「これがあたし達の“核”、人間で言うところの“脳と心臓”を一つにしたイメージかな?」

「触る?」


「いや…………いい」


 もう何が何だかよく分からなくなってきた。


「でも、私がここにいると何が関係あるの?」


「そうね、まぁ……私達、アンドロイドのことは今は関係ないけど、言ったでしょ?」

「その『オムニエンティア』は全ての技術の“元”になっておるからね」

「つまり、人類は『オムニエンティア』並のネットワーク構造を模倣しようとした」

「でも、元々は『量子波演算処理システム』として設計されたの」

「つまり、人類の『未来視』するために生み出された“システム”ね」

「だけど、あの“島たち”が現れて全世界は、人類文明は停滞して行ったの」


「だけど、それが何で『未来視』できる機械を『楽園ノ夢』なんかに作り替えたの?」


 ヘロは少し間を空け、答えた。


「“恐怖”よ…………」


 ヘロは静かに話す。


「…………」

 

「恐怖……?」

 

「そう……人間、いや生物が元来備わっている“根源的感情”」

「それに、人間は“知恵”が備わっている」

「だから、死という“恐怖”からの“逃避”をするため、天国の世界『楽園ノ夢』が生まれたの」


「それじゃ……現実の私もそうだったのかな?」

 

「いえ、『楽園ノ夢』の施設の記録を見たけど、あなたはその“実験体”としてこの世界に先行で送られてきたの」

「そして、施設の研究者たちは実験中に侵入して来た“天使”によって惨殺され、あなたは永久的に出られなくなったのよ」


「そう……なんだ…………」


 なんとも言えない気持ち、結果的には助かったことでもあるけど、そのせいでここから出られなくなったなんて…………。


「あなたをこの世界で生かすため『楽園ノ夢』はあなたの脳の構造をこの世界で構築し」

「結果、“肉体がなくても”この世界で生きているの」


「ちょっと待って!!」

 聞き逃すところだった。“私の肉体はもうない”ってことを。

「私の肉体はないってことは……」

「ここから出たら私、死ぬんじゃ……」


「大丈夫、安心して、あなたの体は私たちと同じ『アンドロイド』の体に入ってもらうわ」


「あ、アンドロイドの……」

 

「そのためにはまず、あなたの『脳』の構造をコピーする必要があるの」


(いや、まだ『アンドロイド』の体になるって納得してないけど…………。)


 ゴゴゴゴ…………。


 突然、地響きが鳴り出す。


「な、何……急に?」


「そんな…………!?」

 ヘロは信じられないような表現をする。


「ヘロ、予定より早く破壊されてるぞ!!」


「私達の技術の方が発展しているはずなのに……」

「100年以上前の技術なのに、私達のアンドロイドの技術を“学習”してる!?」


「ま、まずい、この前だと…………」


 ヘロは一瞬にして消えた。

「へ、ヘロはど、どこに!?」


「『楽園ノ夢』が強制切断された」

「ここまで、『楽園ノ夢』学習能力があたし達の予測よりも上だった」


「このままじゃ……また、『夢』に…………」


 すべてが、真っ暗に染まる。


 

「う……うぅ…………」


 目を覚ます。

 周りは知らない場所だった。


「し……シャル…………」


 彼女の名前を呼ぶが返ってくるのは無音の静寂だけだった。

「どこ……なの……」


 辺りを見渡すがそこは薄暗く、そして研究室のように見える。

 震える手足を我慢しながら前に進む……。


 暗い廊下を歩いていると一つのドアが見えた。

 私はドアを開く……。


「な、何ここ…………」


 ゴオォォォン!!

 

 周りは荒廃したビル群と低く鳴り響く声?が聞こえ……私は歩く足を止める。


「な、何なのこの世界…………これが……二人の言ってた」


 人類が滅びた世界だった。


「夢なの……現実なの……」

 わからない…………。


 恐怖と不安が一気に覆い被さるように体が金縛りのように動かない。


「誰か探さないと……」


 そして、私は後ろを振り向く。

 振り向いた先には、全身が白く頭には口しかない巨大な人型の“化け物”がいた。


 私は何もできずただ、尻をつくしかなかった。


 化け物は手についた赤い“血”のようなものを舐め回す。

 そして……私に細く尖った指先を私に向けて刺してくる。


(…………終わっ…………)


 バンッ!!バンッ!!


 次の瞬間、鳴り響く銃声と共に白い化け物が倒れていた。


「ほら立って!!」

「今の銃声で同じのがまた来る!!」


 私を抱き抱え、走り出す。

「シャ……シャル!!」


 そして、ビルの人影のない場所で一旦落ち着く。

「あ、ありがとう…………シャル」


 すると、シャルは不思議そうに見つめる。

「…………あれ?」

「さっきまであたしに『許さない』って言ってたのに感謝するんだ…………」


「あ…………」

「う、うるさい……!」


「ふ――ん」


 私は強引に話を変えた。さっきの化け物について…………。


「ねぇ……シャル……さっきの化け物……」


「さっき話した“天使”だよ」


「でも、あれは“半世紀”前の時代だね……」

「私の知っている情報だと……」


「あんな恐ろしい化け物が“人類の敵”だったの……」


「…………そうだね」


 シャルは端的に答えた。

 

「そして……今この世界は『楽園ノ夢』が見せる」

「“現実”に近い世界として“組み替えてる”」


「じゃあ……私達この世界から出られないの?」


 だが……シャルは何故そんな世界にした『楽園ノ夢』を疑問に思う

「もし、“残酷な世界”にするならあたし一人で送れたのに……」

「なんで、君まで送られたのかが疑問なんだよ」


「そんな事言われたって…………」


「でもまぁ――」

 シャルは突然立ち上がる。


「あたしは君の“生存”が任務だから絶対に護るよ……」

 そう……熱く正直な事を言われて少し……私は戸惑う。


「う……うん……あ、ありがとう」


(ちょっと前まで憎んでたのに…………調子狂うよ)


 そう心の中に思っていたら――


 ゴゴゴゴ――!!


「地震…………近い」

 シャルはまた私を抱き抱え、フックワイヤーで屋上に向かう。

「ねぇ!!どうして、屋上に上がるの!!」

「ビルとか崩れて危ないでしょ!!」


「いや…………あたしの体重と君の体重を計算したけどこの高さは何ともないから上がっただけだけど……」


「…………」

「な……!!」

「か、勝手に私の体重見ないでよ!!」


「…………」

「いや…………あたしの10分の1しかなかったよ」


「ちょっと具体的に言わないで!!」


 ゴオォォォン!!


 また、荒げる謎の鳴き声が鳴り響く…………。


 すると……


 ゴオォォォン!!


 ビルの下から羽の生えた『ドラゴン』のような姿の生き物が飛び去った。


「やばい…………」


 シャルは咄嗟にビルから飛び降りる。

だが、飛び去ったはずの『ドラゴン』は私達を追いかけ、鋭利な“爪”で私達は落下した。


「ゔっ!!」


 私とシャルは地面に叩きつけられるも、私は痛みが無かった。

 けど、落下への衝撃なのか視界がぼやける…………。

「シャ…………シャル…………」


 私は力尽きるように視界が真っ暗になる。

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