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問題児in追放修道院  作者: バタ足攣り太郎


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第82話 茶会+整理=対策

「んぐ・・・んぐ・・・ぷはぁ!!いやあ、死ぬかと思った!!捕まっていた時よりも死を身近に感じたぞ!!はっはっは!!」


 監禁されて瀕死だった時より、お肉で喉が詰まった時の方がヤバいって何?


 やあ、あたしはリタちゃん。


 今、豪快すぎる前ゼリア子爵に呆れてるとこ。


「まったく、何をやっているのですか、父上」


「このステーキが美味すぎるのがいかんのだ。シェフを呼べ、褒めてやろう!!」


「どうか、シェフの負担を増やさないでくださいませ、子爵様」


 あ、ついにメイドにもツッコまれてる。


 ってか、この人、あたしが起きたときにいた人だ。


 立場を退いているとはいえ、貴族に意見できるってことは結構上の立場なのかな?


「わたくしの食事の質にまで影響してしまいます」


 いや、この人が良い性格してるだけだな、これ。


 どっかの公爵夫人付きのメイドを思い出す・・・もしかして、親戚とかじゃないよね?


 意外と貴族社会って狭いから、ありそうで嫌だなぁ。


「さてと、場も温まったことだし、そろそろ、現状の説明と確認を始めようか」


 ゼリア現子爵のこの一言で、これまで緩んでいた場の空気が一気に引き締まった。


 さすが、操られていたとはいえ、一つの領をまとめる立場にいただけはある。


 いや、元々有能だったってだけかな。


「まず、聞いているとは思うけれど、ここはベリアーザではなく、ゲッティア。ベリアーザよりも中央寄りにある街だ」


 そこから始まった現子爵の説明によると、あたしがあの異形ピエロと戦って気絶した後、リリスがあたしたち全員をあの地下から運び出してくれたらしい。


 そう、この現子爵を含めた全員。


 言われてみれば、戦いの途中から静かだなぁとは思ってたんだけど、この現子爵も戦いの余波で気絶しちゃってたらしい。


「私も戦いの心得自体はあるつもりなのだが、やはり専門の戦闘職に太刀打ちできるものではなくてね。精々、護身程度はできると思っていたが、君らの戦いの余波を捌ききれなかったのさ」


 まだまだ修行が足りないね、と自嘲する現子爵。


 でもこの人、見るからに内政に特化してるタイプみたいだし、守りきれなかったのはこっちの落ち度だ。


 そこはこっちで反省しなきゃね。


 ともかく、そんなこんなでリリスが全速力であたしらを連れて、ベリアーザ自体を離脱した。


 さすがにあれだけの騒ぎを起こしたまま、高級宿に戻るのは拠点バレのリスク高すぎると思ったみたい。


「とはいえ、連絡自体は回してありますので、残してきた保護対象たちは問題なく退避してくださっているはずですわ」


 保護対象・・・あの不運にも巻き込まれた冒険者たち四人組だね。


 彼らにはこっちの正当性の証明をしてもらわないといけないから、扱いは丁重なはずだ。


「そこから、人目を避けて森へと入り、二日ほどかけてここゲッティアへと辿り着いたのですわ」


 ゲッティアは領主が院長(ババア)の古い友人だとかで、あたしたち修道院の勢力がそれなりに強い場所だ。


 それで、領主の好意でこの領主館に滞在させてもらって、あたしが起きるのを待ってたってことらしい。


「なるほどね」


「問題は、ここからの動きですわ。ベリアーザでの騒動で、向こうにこっちの情報を与えすぎてしまいましたから」


「ん?与えちゃった情報って、子爵親子の失踪くらいでしょ?全然問題なくない?」


「それが、そうも言ってられないんですのよ・・・」


 そうやってため息を吐いたリリスを不思議がっていると、追加の説明であたしまでげんなりさせられることになる。


「げぇっ!?変異種の遠隔操作ァ!?」


「ですわ。あなたが倒したあの異形のピエロ。イビルシルバーが仮面を被っていただけの存在でしたの」


「じゃあ、あたしらは操られてる人形に、あんなに苦戦したってわけ?」


 うっわ、マジかぁ。


 こりゃ、舐めてかかれる相手じゃなくなってきたみたいだね。


「ですので、相手にはわたくしたちの顔や声、戦闘スタイルといった情報は渡ったと見るべきでしょうね」


「だねぇ」


「それならば、君らは担当から外れるということになるのかな?」


「それが一番良くはあるんだけど、そうもいかなくてさ」


 ゼリア子爵の当然の質問に、あたしとリリスは苦い顔をするしかない。


 今回の案件は国同士のものでもあるから、軽々に担当を変えることもできないっていう事情がある。


 あと、単純に人手の空きがない。


「では、どうするつもりかな?」


「まあ、やりようはありますからね。手は打ってみます」


 潜入とか普段からやってる分、そこら辺も抜かりないのがあたしたち修道院っていう組織だ。


 バレたらバレたなりの対処法がある。


「ふむ。何かあれば言ってくれたまえ。こうして親子共々助け出された身だ。可能な限り力になろう。私も、この、父上も・・・父上?」


 現子爵が話を振ろうとしたお肉モグモグ父上は・・・


「くかー・・・ぐぅ、もう食えん・・・悔しい・・・むにゃ」


 食欲が満たされ、いつの間にか寝こけていた。


 いや、ホント自由人だな、この人。


 そんな状態の前子爵の存在もあってか、今回の話はここまでとなり、一旦解散することになったのだった。


 ・・・とりあえず、着替えを貰おう。


 服がステーキ臭い・・・。







 次回の更新は2月21日(土)午前6時の予定です。

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