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問題児in追放修道院  作者: バタ足攣り太郎


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第78話 励起+驚愕=浸透

やあ、あたしはリタちゃん。


今、あたしは普段抑えていた全身の魔力を全開で解放し、灰色の光る線が全身に走った上で、肌が紅潮し煙を上げている状態だ。


正直、この状態はあたしへの負担がかなり大きい。


あまり長くは使えない。


だから・・・


「ふっ!!」


『・・・む!?』


一気に踏み込み、手刀を叩き込む。


異形ピエロは腕を割り込ませようとするも、その長さが仇となって間に合わない。


全身の魔力の励起によって灰色に光る手刀は、胴体へとキレイに吸い込まれていき、異形ピエロへと一撃を与えることに成功した。


「まだ、まだァ!!」


そこからさらに、跳躍してからの斜め蹴り、おまけに慣性を利用した裏拳といった感じに次々と攻撃を仕掛けていく。


『ぬっ・・・ぐぅ・・・ごっ!?』


異形ピエロにはさっきまでのように軽口を叩く余裕なんてない。


当たり前だ、これらの攻撃は流れるように早いだけじゃなく、一発一発が破城槌のように重いんだから。


なんせ、この状態になったあたしは、あの院長(ババア)にすら膝をつかせることが可能なんだ。


まあ、一時的にだけど。


ともかく、そんな状態のあたしが、こんな皮を被って大物を気取ってるだけの小物に止められるはずもない。


あたしがそんな風にひたすらに早くて重い攻撃を繰り返していると、


『調、子に・・・乗るなよガキがああああアアア!!!』


異形ピエロがキレ、その全身から魔力が噴き出したので、あたしは距離を離した。


「案外、剝がれるの早かったじゃん。化・け・の・(か・わ)。」


『うるっせェ!!ぶっ殺ォす!!』


異形ピエロがやみくもに腕を振り回すと、その腕はまるで蛇腹剣のように細かく分離して伸びて来た。


あたしは乱軌道で迫ってくるそれを最小限の動きで回避し、距離を詰める。


途中、蛇腹の腕がかすって血が出たりはするけど、この程度なら無視できる。


けど・・・


「はい、ストップ。」


『!?』


あたしはあえて歩みを止めて、肉を削ぐほどに威力のある蛇腹の腕を素手で掴んで地面に叩きつける。


「気づいていないとでも思った?あたしに対抗するフリをして、子爵たちやリリーを狙うなんて、とんだ策士だね。まぁ、殺意は本物だったからキレてるのも本当なんだろうけど。」


『チッ!!クソが!!手が壊れるのを無視してそこまでしやがるのかよ!!』


確かに、腕を掴んだあたしの手は既に血まみれだ。


流れ出した血は奴の腕を伝って地面に落ちている。


でも、構わない。


いや、むしろちょうどいい。


『こ、れは!?』


ヤツの腕にはあたしの血が・・・魔力の籠った血が纏わりついている。


完全にあたしから離れた今、遠隔操作なんて器用な真似はあたしにはできない。


ここには魔封じの結界も張ってあるし、ね。


でもさ、流れ出る前にそういう指向性を持たせることなら、できなくはないんだよねぇ?


『動け!動けってんだよ、クソがァ!!』


だから、ヤツは腕を自由には動かせない。


完全に使用不能とまでは行かないけど、これで充分。


あたしは動きの鈍くなった腕を踏みつけながら、ヤツの本体へと接近していく。


踏み込みをかける度に加速して、重さと勢いを増した膝を、ヤツのにやけたピエロ面へと叩き込むッ!!


「オラァ!!」


『グゲラァ!?』


異形ピエロにあたしの渾身の膝蹴りが刺さる。


その顔面につけていたピエロのお面は、手応え的に粉砕されているはずだ。


あたしは念のため、接触している膝から衝撃を内包した魔力を放出し、ピエロに追い打ちをかける。


『・・・。』


もはや言葉を発することもできず、異形ピエロは後ろに倒れこんだ。


あたしは異形ピエロから離れて空中に跳ぶと、そこからさらに一回転をかけて組んだ両手を異形ピエロの腹に叩き込んだ!!


ボスン!!と音を立てて、異形ピエロの下の地面がクレーター状に陥没する。


衝撃は全身に行き渡った手応えがあった。


これで・・・


「潰せたと、思うんだよねえ・・・自爆の術式。」



今回の相手はあまりにも周到だ。


だから、こいつにも何かが仕込まれているんじゃないかってあたしは考えた。


そのために、意識がないのがわかってる上で攻撃を仕掛けてたんだよね。


「あとは・・・リリーに、任せ、ようか、な・・・。」


あたしは敵の沈黙をもう一度確認すると、魔力の励起をストップする。


案の定というべきか、反動が一気にやってきた。


でも、まだ寝るわけにはいかない。


「最、後に・・・おら、起きろ!!」


あたしは気絶しているリリーに近寄ると、魔力を響かせるように目の前で両手をパァン!と叩く。


「・・・ハッ!?り、ルタさん!?」


「起きた、ね・・・。状況は、終了。敵は、あっちで倒れてる。一応、魔力は流したけど、罠の確認をお願い。あたし、は・・・もう、限か・・・い・・・。」


「ちょ、ルタさん!?しっかりなさい!!ル・・・」


ああ、ごめん、もう言葉を聞く余裕もない。


こうして、限界を出し切ったあたしの意識は闇に沈んでいったのだった。


リリス、あとは・・・よろしく・・・。

次回の更新は1月24日(土)午前6時の予定です。

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