第66話 覚悟+飛翔=成果
【お知らせ】
作者ことバタ足攣り太郎はこの度、『小説家になろう』様にて10月28日より始まる『なろうチアーズプログラム』での収益化に挑戦させていただきたく思います。対象は、作者が掲載している全ての作品となります。投稿スタンスは基本的に以前のまま、新たな挑戦をさせていただきたく存じます。どうか、ご容赦ご了承の程、よろしくお願い致します。
また、詳しい理由は活動報告にて掲載させていただいておりますので、ご興味のある方は作者の名前よりリンクを辿ってご覧ください。
「人は空を飛べるのか?偉大なる挑戦が、今、始まる!!これより、第一回レイクディーネ飛翔研究会を開催しまーす!!」
「「「「「「わーーー!!!」」」」」」
こんにちは。
なんか、めっちゃ大ごとになっててまたもやびっくりしてるリタちゃんです。
今、広場に隣接してる建物の屋上に立っています。
眼下に広がるのは、集まった奥様方と、特設されたステージで大盛り上がりの広場。
いや、なんかつい最近も似たようなことあったよね!?
卵焼きの時だなぁ!!
そして、そのときの主犯は・・・
「司会進行はわたくし、修道院所属のハナ・シタソー。そして、解説にはこの人!!」
「はぁーい。アンネマリー・リーフィよー。」
「やっぱり今回もあんたかいッ!!」
毎度毎度、何してんのこの侯爵夫人は!?
「うふふ。リタちゃんの晴れ姿が見れるって聞いて、飛んできちゃった。」
「嘘をつくな、嘘をォ!!」
まぁ、お貴族様だし、移動の本当の理由なんか明かせないだろうけどさ!!
「と、まあ、遠くからわめいている変な人もいますが、気にせず進行して参りましょう!!今回の催しの趣旨を説明しますよー。皆さん、聞く準備は良いですかー!?」
「「「「「「良いですともー!!!」」」」」」
無駄に声を揃えやがって、お昼休みなのかな!?
うん、時間的にお昼休みだね。
あたしを見てウキウキウォッチングってわけだね、ちくせう!!
「さて、それでは説明します。このレイクディーネ飛翔研究会で扱われるテーマ、それはもちろん『人は空を飛べるのか?』。この人類永遠の命題を、真面目に面白おかしく研究していこうというイベントです。」
おい、面白おかしくって言っちゃったぞ、この司会。
「空を飛ぶ・・・その夢を叶えるためには何が必要か?まず、思いつくのは翼です。というわけで、あちらにいるリタさんをご覧ください!」
一斉に注目を浴びるあたし。
一気に視線を向けられて、少したじろいじゃったよ。こっわぁ。
そんで、そんな注目の的のあたしの恰好はといえば、いつもの修道福の上になにやらゴテゴテした装備を着こんでいる。
「彼女に装備頂いているのが、我々人類欲してやまない翼!それを再現した最新式の装備になります!!なお、提供は解説のリーフィ侯爵夫人からとなります!」
「うふふ、重装備姿も素敵よー、リタちゃーん!!」
「あんた、あたしにはなんでも素敵って言うじゃん!ってかこの装備なんかすっごい重いんだけど!?飛ぶんだよね?本当に飛ぶんだよね!?」
いや、どう考えても無理なんだけどさ!
なんで重力に真っ向から逆らおうとしてんの!?
いや、この世界に重力なんて概念はまだ無いけど、重いと地に落ちるくらいはわかるはずだよね!?
「うふふ、そこは、その装備にほどこされた秘密の仕掛けがあるから、大丈夫よー。」
「信用ならないんですけど!?」
あの微笑みが悪魔にしか見えない!
「とにかく、何事もやってみなければ始まらない!!人類の歴史は失敗の歴史!偉大なる先人の知恵はそうやって生まれて来たのです!!」
「挑戦を抜いて失敗しか言ってないじゃねェか、司会ィィィィ!!」
自分は飛ばないからって、ハナのやつ、楽しそうにしやがって!!
同じ修道院の仲間とはいえ、後でシメる!!
「それでは、人類の新たな一歩を踏み出す挑戦に、そろそろ望んでもらいましょう!皆さん、歴史の目撃者になる用意はできてますかー!!」
「「「「「「おー!!!!!!」」」」」」
あたしもあっちに混ざりたい!
他人事で笑ってたいなー、くそぅ。
「えぇい、女は度胸!やってやる!やってやるぞー!!」
突然隣国に飛ばされたってなんとかなったんだ!
このくらい大丈夫!
大丈夫だよね!?
「うふふ、がんばってー、リタちゃーん!」
「ありがとねー!後で覚えてろー!!」
ひたすらにくすぐり地獄を味わわせてやる!
お貴族様だと思って容赦すると思ったら大間違いだぞ!!
「ではでは、リタさん、よろしくお願いします!!」
もうここまで来たら後には引けない!
後は野となれ山となれだ!!
「今こそ!あたしは、鳥になる!うおおおおおおおおお!!」
畳まれていた翼を思い切り広げてグライダーみたいにすると、あたしは思い切って屋上の淵を蹴る。
「フライ、ハァァァァァイッ!!」
叫んで意気込みながら、あたしは飛行ではなく決死のダイブ(確定)に挑む・・・
「なんて、思っていたのかな?」
確かにあたしは、屋上から飛び出して空中にいる。
そして、その真下には飛び出してくる怪しい影が。
「これで飛べはしないと思うんだけ、ど!!」
あたしは跳躍のタイミングに合わせて装備にくっついていた紐を思いっきり引っ張る。
すると、背中の翼から真下に向かって、真っ白な風が強烈に吹き始めた。
その正体は、修道院の暗部謹製痺れ薬の混ざった片栗粉。
それが背中の装備から思いっきり噴き出したのだ。
実際、飛ぶための機構でもあるから嘘は言っていないけれど、この装備の本当の主な目的は刺客の撃退と捕縛。
そう、今回の騒ぎ自体、いつものバカ騒ぎに見せかけたあたしたち修道院による罠だったってわけだね。
今回の空の話がガキンチョどもから出たとき、あたしは院長から呼び出しを受けていた。
その用件ってのが、今回の襲撃計画の察知。
前に夫人を狙ったときも失敗してたのに、相手さんもしつこく挑戦してくるもんだよ。
そんで、あたしと同様に呆れながらも、どこに行ってたのか聞かれたあたしが、ガキどもとの話を漏らしたら、あのババアがすっごい悪い顔で「それ、使えるかもしれないねえ。」なんてにやついてた。
そこから話は内々かつ、とんとん拍子に進み、リーフィ侯爵夫人までも巻き込んだ大イベントになったって流れだね。
要は、これまでのは、刺客を捕らえる仕掛けの盛大な前振りだ。
ちなみに、巻き込まれる形になる街の奥様方はこの事実は知らない。
なら、一緒に痺れさせて後で救出するのかといえば、そうじゃない。
なんせ、ここの街に住むためには、毒に対するある程度の耐性が条件に入ってるからね。
・・・改めて考えると、どんな街なんだよとツッコミたくなるけど、こんな街としか言えないのが困ったところだよね。
さて、あたしがそんな風に長々と思考を巡らせているのにも、理由がある。
・・・思い出して欲しい、あたしの今の状態を。
屋上からジャンピングして、思い切り背中の紐を引っ張って、背中の装備からは真下に最大風速で痺れ片栗粉を射出中。
さあ、空中でそんな挙動をすればどうなるか、お分かりですよね?
今、あたしは粉をまき散らしながら、空中で縦回転をしながら空を吹っ飛んでいます。
「あたしの、渾身のフライアウェェェェェェェイ!!」
ハーッハッハッハ!!
回転してても、あたしの動体視力は、倒れこむフードの怪しい刺客の姿を捉えている!
案外、気分は良い!!
これが、ぐるぐるHigh!!
そしてェ・・・・
「うふふふ、さすがよリタちゃーん!!」
「さりげなく防具つけてるの見えてるからね、ふじーん!!」
そうして、あたしはレイクディーネの星になった。(比喩表現)
まあ、実際はちょっと離れた建物の外壁に突き刺さって止まったんだけどね。
そんなあたしの献身もあってか、刺客は潜んでいたのも含めて全員捕獲。
集まってたみんなもあたしを見てゲラゲラ笑って、満足して帰ったらしい。
・・・覚えてろよ、奥様どもォ。
とにかく、これで敵方の出足はくじいた。
これから、捕まえたやつらから話を聞きだす訳だけど、十中八九、前王弟エリック殿下の代表としての内通に焦ったゴルドラ侯爵の手の者なんだろうね。
どう追い詰めてやろうか・・・院長じゃないけど、これからが楽しみだ。
「・・・あなたねえ、壁に突き刺さった状態で、なんでそんな不敵に悪い顔してるんですの。」
・・・目の前でリリスが何か言ってるけど、気にしないもん!!
次回の更新は11月1日(土)午前6時の予定です。




