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問題児in追放修道院  作者: バタ足攣り太郎


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第63話 お子様+餌付け=包囲網

「ほーれ、ガキどもー。おやつだぞー。」


「「「「わーい!!」」」」


追放修道院を擁するレイクディーネの住宅街、その空き地。


そこにはいつも暇そうに屯するガキんちょどもに施しを与える敬虔なシスターの姿が。


そう、敬虔なシスターである、あたしことリタちゃんの姿が!!


ってことで、ちゃっす、あたしリタちゃん。


今、絶賛偽善の最中でございます。


「うめー。」


「おいしー。」


「これ、好き。」


「黄色くて、ふわふわで、甘くて、口の中でとろける・・・美味なり。」


なんか、一人だけ食通みたいな子どもが紛れてるけど、こいつの家、一般家庭だったよね?


まあ、ともかく。


先日のリーフィ侯爵夫人への襲撃事件があった後、夫人は騒ぎを聞きつけた・・・っていうか脱走に気づいたお付きに引きずって行かれ、あたしは修道院のやつらと合流して事後処理へ。


まあ、その中で案の定というか、なんというか・・・襲撃者は前王弟一派、を裏から牛耳ってるゴルドラ侯爵の手先だったわけで。


というのが、表向きに判明したとされているお話。


修道院では実は少し違う情報を掴んでいた。


今、このシエル王国内では、あたしたち現王派と前王弟派が水面下で争っており、内戦一歩手前なのは暗黙の事実。


そんな中、少し前にあたしと二代目が直接、前王弟殿下であるエリック殿下のところに行って、あえてクエイ公国との内通を提案してきた訳なんだけど・・・


夫人を襲った今回の刺客・・・クエイ公国の人間なんだけど?


あれ?いくらなんでも内通には早くない?


これ、前王弟エリックに内緒でゴルドラ侯爵のやつが内通してたな??


で、そこに前王弟エリックが内密で非公式ではあるものの、ゴルドラ侯爵より上の立場として公式的に内通を申し入れる訳でしょ??


さてさてどうなるか・・・あたし、わくわくしてきちゃったな!!


まあ、そんな大人たちの汚い裏の事情に触れてきたばっかりで、あたしも疲れちゃってね。


だから、こうやって近所のガキんちょどもにおやつを分けて、ちやほやされて浄化されようってわけなのよね。


まあ、そのちやほやもおやつという賄賂による打算的なものだけど、今はそれでもいい。


あたしもたまには、癒されたい(切実)。


そんな風に遠い目をしてたら、ガキどものもぐもぐタイムは終了。


さあ、ここからがお楽しみの時間だ!


ガキども、あたしを褒め称えるがいい!!


「あー、おいしかったー。」


「ごちそうさま、リター。」


「このふわふわ、好き。」


「筆舌に尽くしがたい、なんといえぬ甘美な味わいだった。」


だから、最後のやつ、何?美食家か何かか、君?


「そーそー、そういえばさー?」


「ん?どうしたー?」


「これのこと、この間、母ちゃんに話したら作り方教えてくれないか聞いてくれって。」


「あ、ウチもママに言われたー。」


「ん・・・そういえば、こっちも。」


「あまりの美味に忘れていたが、某も。」


いや、某て・・・今度は武士かな?


いったい君は何なんだよ。


ちなみに、あたしがガキどもに配ったのは卵焼き。


これ、あたしは当たり前に作ってたけど、よくよく考えたら前世の食べ物じゃん。


そりゃ、みんな作り方知らないか。


「うーん・・・それならさ・・・こういうのはどう?」


「「「「うん、わかったー。」」」」






ってことで数日後。


「本日はお集り頂き、誠にありがとうございます。これより、リタちゃん主催!お料理教室を開催します!!」


「「「「「「わー!!!!」」」」」」


町の一画、イベントなんかを開く広場に、街の奥様方が大勢集まっていた。


しかも、野外調理用の設備もたくさんあるし。


もちろん、あたしの前にもそれはでーんと鎮座してる。


なんか、ガキどもの親に作り方を乞われただけなのに、大ごとになってしまった。


あれぇ?


「さぁて、リタちゃん。子どもらがおいしいっていうそれ、あたしたちにも食べさせておくれ。」


「それはいいんだけどさぁ・・・なんか、すごい人数集まってない?」


ざっと五十人くらいはいるんだけど?


ガキんちょたちは六人しかいなかったよね?


「ふふ、それはね、わたしが声をかけたからなのよ。」


「あんたは・・・リーフィ侯爵夫人!!帰ったんじゃなかったの!?」


「実は先日の事後処理がまだ終わってなかったの。そうしたら、面白い話を聞いちゃったから、来ちゃった。」


「いや、来ちゃった、じゃないでしょ。あれ?なんかデジャビュ・・・」


「まあまあ、細かいことはいいじゃない。それよりも、リタちゃんの作る黄色いふわふわ、わたしも食べてみたいな。」


「いや、それはいいんだけど、この人数に教えて回るのは無理だよ。」


某オレンジの服の忍者なら多重に影な分身ができただろうけど、あたしはただのかわいいシスターだし。


「まあ、こうなったら仕方ないか。女は度胸!腹は括った!さあ、お料理教室、始めるよ!!」


「「「「「「わー!!!」」」」」」


いっちょ、やってやりますか。


ついでに、他の料理も教えてしんぜよう。


「お料理上手なリタちゃんを、お披露目だぜ!!」


あたしは修道服の袖をまくり、気合を入れるのだった。




次回の更新は10月11日(土)午前6時の予定です。

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