第46話 乱入+カバー=理不尽
『ウガアッ!』
おっす、あたしはリタちゃん。
黒い変異オーガと闘っていたあたしだけど、目の前に巨大な拳が降ってきたことで、それは中断させられた。
その拳の主はとっても大きなオーガ。
標準的なオーガよりも三回りは大きい体をしている。
それが、こちらを憎しみのこもった目で睨みつけている。
いや、正確には睨まれているのは目の前の黒いオーガかな?
「ガウ。」
『ウガルルアッ!!』
黒いオーガが何かを呼び掛けたようだが、大きいオーガは知らんとばかりに吠えている。
言葉はわからなくても、そこに怒りや侮蔑があるのはあたしにもわかる。
うん、気にくわないな。
「そい!」
『ウガァ!?』
「ガウ!?」
なので、大きいオーガの方に、正拳突きで魔力を飛ばしてやった。
しかも魔力はいっぱい籠めたので、大きいオーガは吹っ飛んだ。
やったね!
急な事態に黒いオーガ目を丸くしつつも、こちらに構えを向けてくる。
でも、あたしは黒いオーガに向かって、敢えて笑って両手をヒラヒラさせた。
「こっちにあんたとの敵対の意思はないよ。さっきまでの殴り合いで分かってるでしょ?」
言葉が通じるかわからないけどそう言ってやれば、黒いオーガは「ガウ・・・。」と頷いてはくれるものの、困惑した様子でこちらを警戒している。
「それにさ。」
あたしは言いながら、吹っ飛ばした大きいオーガの方へと駆け寄っていく。
そこでは壁に激突した大きいオーガが起き上がるところだったけど、あたしはそこに思い切りサマーソルトキックをぶち込んでやった。
『ウゴガッ!?』
しかも、顎に直撃。
さらに弾かれた勢いで後ろの壁にも頭をぶつけて、大きいオーガは目を回している。
「こういう偉そうなやつ、嫌いなんだよねー。」
こういった手合いは、ぶちのめすに限る。
『ウガァ・・・ウガウアァッ!!』
でも、その巨体は伊達じゃないみたいで、大きいオーガは直ぐに正気に戻ってこちらに吠えて殴り掛かってくる。
あたしはそれを軽くかわすけれど、大きいオーガはそれが気に食わないみたいで、ウガウガ吠えながら何発も拳を繰り出して来る。
でも、それはあたしには一つも届かない。
「ほい。」
『ウガッ!?』
それどころか、カウンターまでくらってる始末だ。
「パワーはあっても、技術が皆無なんだよね。そんな大振り、当たる訳ないじゃん。」
あたしがそんな風に鼻で笑ってやると、馬鹿にされたことがわかったのか、余計に大振りで攻撃してくる。
なので、それをかわしてまたカウンターで拳を叩き込む。
せっかくなので、捻りも加えてみたり?
『ウゴオオォ・・・』
これは結構効いたみたいで、大きいオーガは怯んでしまった。
あたしはそこに追撃をかけようとしたんだけど・・・
「ガッ!!」
割って入った黒いオーガに、それを防がれてしまった。
やっぱり、こいつは手強い。
「こっちに敵意はないって言ったはずなんだけど・・・」
「ガウア。」
目の前の黒いオーガとはこんな形で戦いたくはないんだけど、その眼には硬い意思が宿ってるようにも見える。
「なら、仕方ないか。行くよ!!」
「ガウウッ!!」
あたしは思い切り踏み込みをかけて黒いオーガへと攻撃をかけようとした、その時。
『ウガアアアアアア!!』
「ガアッ!?」
目の前の黒いオーガが、前触れもなく、突然横にスライドした。
いや、正確には、庇っていたはずの大きいオーガに薙ぎ払われたんだ。
あたしは思わぬ展開に動揺し、その直後に繰り出された大きいオーガの拳に対応しきれず、その身を吹き飛ばされてしまうのだった。
次回の更新は6月14日(土)午前6時の予定です。




