第43話 迷宮+工夫=パワー!!
「「ゴバアアアアアア!?」」
ほい、撃破っと。
やあやあ、あたしリタちゃん。
違法薬物の原料を栽培している疑いのあった国境の村。
そこから、村人と一緒にどこかの洞窟に飛ばされたあたしは、その村人を縛ったもので敵を蹴散らしながら探索を進めていた。
「それにしても、オーガばっかりでるね、ここ。こんな洞窟、国内にあったかな?」
まあ、あたしもそこまで詳しいわけじゃない。
でも、そんな特徴ある洞窟なら覚えてるはずなんだよね。
「うーん、空気の流れ的には外に近づいてはいるんだろうけど・・・」
あくまで感覚的なものだけど、間違ってはいないはず。
だからなおさら、この洞窟の作りの嫌らしさに苛つく。
とりあえず冷静になろう、あたし。
こういうときは冷静さが大事だってあの院長も言って・・・
いや、こんなことになってんの、あのババアの命令で敵の罠を迎え撃ったからじゃねえか!!
おのれ、許すまじクソババア!!
・・・くっ!
察知されたみたいな悪寒がするけど、気にするもんか!
「院長の馬鹿野郎ー!!」
はあ・・・はあ・・・ふう。
叫んだらちょっとスッキリした。
そして、院長で思い出した。
あのハチャメチャ婆さん、いつも修道院の壁をぶち抜いてるけど、そこから他が崩れたりってないんだよね。
前に気になって聞いたら、「殴ると同時に壁に魔力を注いで強化してる。」って訳わかんないこと言ってた。
・・・もしかして、今のこの局面で有効なのでは?
「でも、同時に強化とかいう無茶苦茶はあたしにはできないし・・・なら!」
まずは壁に手を当てて魔力を流し込んで保護。
そしてこれを・・・
「てい!」
ぶん殴る!
でも、その一撃はゴン!って硬い音がしただけで、壁が壊れる気配はない。
「ってか、強化してない天井とかが少し軋んでてヤバい。」
これ、次やったら崩落しそう・・・。
もう失敗はできない。
考えろ。
どうして院長は綺麗に壁だけぶち抜けた?
どうして周りが壊れない?
・・・そっか!
「魔力を浸透させて円状に周りを強めに強化。そして強度のそこまで上がっていない中心を・・・拳でぶち抜くっ!!」
バガン!と音を立てて、目の前に新たな穴が空く。
「よっし、成功!!」
あたし、喜びのガッツポーズ。
「そんじゃ、これでガンガン進んで行きますかー。」
こうして、あたしは気分良く洞窟を掘り進めて行ったのだった。
それが後にどんな事態を引き起こすことになるのかを、気づくことのないままに。
次回の更新は5月24日(土)午前6時の予定です。




