第39話 合流+再会=じゃれ合い
ちわーっす、あたしリタちゃん。
王城での世間話(という体の極秘謁見)を終えたあたしとサリアは、一旦宿屋で一泊。
そして翌日に王都を出て指定された仲間との合流場所へと向かっていた。
あたしは一晩寝てすっかり元気。
同じ条件のはずだけど、サリアはいつも通りに半分目が閉じてて眠そうだ。
「しっかし、ずいぶん大事になっちゃったねぇ。」
「正直、レイクディーネでリタが麻薬見つけたって聞いたとき、もしかしたらとは思ってた。」
「あれ?でもサリアってあのときはまだディライト辺りにいたよね?」
ディライトってのはレイクディーネの近郊にある大きな街。
あたしがウェイトレスとして潜入してた場所でもある。
そこであたしはサリアに会ってるわけだけど・・・
「あれは、戻ってくる途中だっただけ。」
「じゃあ、もうこの前王様が言ってたやつの途中だったんだ。」
「そう。」
戻るついでに追加の仕事して顔出してたのかあ。
ワーカホリックかな?
まあ、そんな心配はさておき、王様が言っていた、他国の介入。
サリアは、いや、修道院は結構前から動いてたみたいだね。
さて、そんなこんな話していたら、あっという間に指定された場所についた。
そこは、一見何もない森の中。
でも、よくよく目を凝らせば、景色に違和感がある。
そうとわかって注意して見ないとわからないほどの、本当にかすかな揺らぎが。
「何度見ても見事なもんだね。」
「ん。」
この揺らぎの正体は、特殊な結界魔法だ。
正確には魔道具で発生させてるものなんだけど、ウチの性質上、隠密作戦が多いからよくお世話になっている。
「それじゃ・・・たーのもーぅ!!」
あたしがそう声を上げてから、割りとすぐに反応があった。
「やかましいですわ。」
耳にツンと響くキンキン声。
「まったく。毎度毎度、品性というものがありませんの、あなたには?」
そして、お高く止まったですわ口調で繰り出される嫌味。。
それらと共に何もないところからニュッと出てきたこの女。
全身に花の刺繍を加えてカスタムされた修道服に、そして何よりその頭の両側にぶら下がっている金色のドリル!
いかにもお嬢様なこいつは、同僚のリリス。
棘付きの鉄球・・・いわゆるモーニングスターをぶん回す戦闘スタイルとその髪型から、ついたあだ名は・・・
「よお、"デスドリル"。」
「お久しぶりですわね、"ボサボサ娘"。」
「あ゛あ゛!?」
「はあ゛!?」
あたしはリリスとガンを飛ばし合う。
「こらこら、リリス。勝手に先に行かないでちょうだい。」
次に現れたのはマリー。
おっとりあらあらな感じのほんわかお姉さんシスターで、あたしたちのまとめ役みたいな立ち位置の姉ちゃんだ。
っていうか・・・
「久しぶりね、リタちゃん。それにサリアちゃんも。」
「ん。おひさ。」
「それにしても、リリスちゃん、リタちゃん。あなたたちは会うといつもそうなんだから。ちゃんとあいさつはしなきゃダメよ。お姉ちゃん、いつも言っているでしょう?」
「いや、マリーはあたしの姉ちゃんじゃないだろ。」
「まあ!なんてこと言うの。お姉ちゃん悲しいわ。」
「・・・・・・。」
とりあえず、黙っているリリスに視線をじー・・・・
「リリスちゃんも同じこと言うの?」
「何もしゃべっておりませんわよ!?飛び火しないでくださいまし!!」
いぇーい。
「あなたねぇ・・・!」
「なにさ・・・!」
第二ラウンドが、はじまる・・・・!
と、思ったら、サリアにひょいと捕まってしまった。
「とりあえず、中に入ろ?」
「そーねー。」
「ちょ、何でわたくしまで!?」
リリスも抱えられてる。
ぷーくすくす。
「いや、あなたも抱えられてますからね?」
「いーんだよ、あたしはドリルじゃないし。」
「髪型は関係ないでしょう!?」
「なんだよ!」
「なんですの!」
抱えられても始まる第三ラウ・・
「二・人・と・もー?」
「「ひぃっ!?」」
頭上から怒りの気配!?
「時間に余裕はないんだから、さっさと行くわよー。」
「「はーい(ですわー)。」」
こうして、小脇に抱えられたあたしたちは結界内部へとドナドナされていくのだった。
やっぱり、マリーを怒らせては、いけない・・・!
次回の更新は4月26日(土)午前6時の予定です。




