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問題児in追放修道院  作者: バタ足攣り太郎


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第35話 ビンタ+翻訳=仲直り

すみません、話数が間違っていたので訂正しました。

どんがらがっしゃーん!!


「お父様―!?」


ちっす、あたしリタちゃん。


護衛してるうちに仲良くなったミアから周囲のお話を聞いたあたしは、我慢できずにそのお父さんをビンタしちゃったの。


「何事ですか!?」


そんで、良い音がしたもんだから、当然外から人も来るよね。


「だ、旦那様ぁ!?ご無事ですか!?」


大慌てで駆け寄る従業員たち。


まぁ、加減はしたから特に問題はないよ。


まぁ、別の問題はあるんだけどね。


「ちょ、ルタちゃん!!どういうつもりですか!?」


ミアがぷんぷんと怒りながらあたしを問い詰めてくる。


「いやー、つい。」


「つい、で人のお父様を張り飛ばさないでください!!どうするんですか!?こんなことしたらすぐに・・・」


「下手人はどこだ!!」


「ほらー!警備がやってくるじゃないですか!!」


さすが大商会、自前の警備なんかやとってるんだー。


まぁ、そんな警備にあたしは取り押さえられそうになってるわけなんだけど。


「そぉい!!」


「「ぐはぁっ!?」」


瞬殺!!いや、殺してはないけども。


「警備も一瞬で!?ちょ、ルタちゃん!?」


「んー?」


「なにやっちゃってるんですか!!このままだと衛兵が来ますよ!!」


「あー、ダイジョブダイジョブ。」


むしろ、その方が都合がいいからね。


で、あたしがこんなことをしでかした目的、それはもちろん、ミアのため。


いや、厳密にいえばミアたち親子のためかな。


なので。


「逃げられたら困るんだよねー。」


「ひっ!?い、一瞬でこちらに!?」


従業員に抱えられて避難しようとしている商会長の前に移動して立ちふさがる。


「く!会長、どうかお逃げください!ここはわたしが」


「待て。」


頬を抑えた会長が従業員を押しのけてあたしの前に出てくる。


「目的は私なのだろう?従業員には手を出さないでもらおう。」


「「会長!」」


なんか、悲壮な覚悟をして出て来たみたい。


「うん、確かに目的は会長なんだけど、別にとって食べたりはしないよ?」


「なら、資産が目的か?」


あー。普通に考えればそうなるよねぇ。


でも、そうじゃない。


今回のこれは、完全にあたしのお節介。


そこまでミアに情が移っちゃった、あたしの職権乱用。


「違うよ。あたしはね、『鉄でできた柔らかいリンゴを買いに来た』んだ。」


「!!」


商会長の顔色が変わる。


そう、これも修道院所属を示す隠語。


国において有力な、協力関係にある商人にのみ伝えられている合言葉。


「馬鹿な・・・!?私は、ウチの商会は誠実に運営を行っているはず!?」


「あー、誤解しないで。内偵とかじゃないから。」


「では、何故!?」


「それはね・・・ミアのことだよ。」


「ミア・・・?」


商会長が怪訝な顔を浮かべる。


うん、父親だけあって、表情がミアそっくりだね。


「ミアはこの商会の跡取り。立派になるように育て上げた・・・そうだよね?」


「ああ。もちろん、どこに出しても恥ずかしくないように育て上げた。」


「そうだね。でも、教育方針が厳しすぎなんじゃない?」


「・・・それは仕方のないことだ。上に立つ、命を背負うというのはそういうことだ。そこを疎かにしては、跡を継がせるなどできない。」


「それは間違いないね。」


そう、そこは問題じゃないんだ。


問題はね・・・


「ミアはそれに応えて立派に役目をこなし、ちゃんと成長を示したんでしょ?」


「無論、私の娘だからな。」


商会長は誇らしそうにそう言う。


うん、ミアが大切なのは、わかる。


でも、それは外から見ているから。


内にいれば、そうじゃない。


だって、その言葉『それくらいできて当たり前だ』って風にも聞こえるよ。


やっぱり、この人は言葉が足りないんだ。


「だって、ミア。」


「・・・・・・・。」


「良かったね、『しっかりと役目をこなす自慢の娘』らしいよ。」


「!?やめてください、ルタちゃん。」


「おまけに今回、一つの街で蔓延っていた不正を潰すきっかけにもなったんだよ、商会長。」


「うむ、報告は受けている。しかし、自らの身を危険にさらすようではまだまだだ。」


「『危ない目に遭って心配していた』らしいよ。」


「やめてください!!!」


そう大声を出したミアの目は、心なしか潤んでいる。


「なんで、そんなことをするんですか!!」


「そんなことって?」


「お父様のお言葉を、そんな、わたしに都合の良いように捻じ曲げてきかせるなんて・・・そんなの、ひどすぎます!!」


ミアは顔を両手で抑え、さめざめと泣きだしてしまう。


でも、あたしはここでやめるつもりはない。


「ねえ、商会長、あたしの言ってること、何か間違ってた?」


「もう、やめ「いいや。」!?」


あたしに食ってかかるミアの言葉を、商会長が遮る。


「何も、間違えてはおらん。」


「え?」


「ミア。」


商会長が踏み出す、その道をあたしは開ける。


そして、商会長はミアを抱きしめた。


「ミア、私の宝よ。よくぞ無事で戻って来た。」


「お父様・・・」


商会長は言葉を尽くす。


どうやら、ミアとのすれ違いに気づいたみたいだね。


「お前ならばやれる、そう思って送り出した。だが、お前を思わぬ日はなかった。」


「で、でも、わたしなら問題なく当たり前にやり遂げるって・・・」


「無論、信じていたとも。お前は良くできた子だ。私にはもったいないくらいの。タリアを無くして男手一つで育てたにも関わらず、立派に育ってくれた。商会長として、後継者をしっかり育てようとするあまり、お前を見てやれていなかったのだな。愛情は、伝わっているものとばかり思っていた。すまなかったな、ミア。不器用な父を、許しておくれ。」


「お、お父様ぁ・・・!!」


親子のすれ違いは、ようやく終わったようだ。


その光景に思わず目じりに光るものが浮かびそうになる。


周囲の従業員も、普通に泣いちゃってるし。


ともかく、これで一件落着かな。


と、思っていたらバン!と扉が開かれて、


「下手人はどこだぁ!!」


と、衛兵隊が突っ込んできたけど、感動に水を差された室内の空気に気まずそうな顔をするのだった。


うん、元凶はあたしだけど、ドンマイ!!





次回の更新は3月29日(土)午前6時の予定です。

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