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問題児in追放修道院  作者: バタ足攣り太郎


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第28話 誘拐+狸寝入り=出会い

おっす、あたしリタちゃん!


今はルタって名乗ってるけど、定期的に本名言ってないと忘れちゃう気がするの!!


え?そんなことはない?それはそう。


で、そんなあたしが今、何をしているのかというと・・・


「なかなかうまく行きやしたね。」


「へへ、こっからだぜ。俺たちが夢を掴むのはよお!」


なんか、知らんおっさん2人に誘拐されて、縛られて馬車の荷台に転がってます。


なんでこうなったのか・・・はい、回想開始。


リーフィ侯爵夫人に手紙を届けるように頼まれたあたしは、王都に向かった。


修道院の仕事で遠めのおつかいは慣れてたから、今回もさっさと届けるかーってな感じで出発。


乗合馬車を乗り継いで1週間、順調に進んでいたんだけど、さすがに馬車でお尻が痛くなってきたあたしは、ひとまず1日くらい休憩しようと宿に泊まる。


で、そこで出された紅茶を飲む。


寝る。


捕まる。


以上。


いや、口に含んだ瞬間に薬はわかったし、そもそも、訓練受けてるから、たいていの毒物は効かないんだけどね。


まあ、ちょっと相手の出方が見たくなって眠ったフリしたら、荷物に偽装されて裏口から連れ出された。


そのまま街を出て外にいるから、これ衛兵もグルだな。


あとで処そう。


ふむ・・・抜け出すのはいつでもできるし、危害も加えられなさそう。


手口も妙に手馴れてたし、これが初めてじゃなさそうだ。


なら、このままアジトまで捕まって潜入といきますか。


そんなこんなで1時間くらい馬車に揺られたところで、どうやらアジトに着いたらしい。


あたしは無造作に担ぎ上げられると、アジトの中に連れて行かれた。


薄目を開けて見た感じ、洞窟を利用しているみたい。


典型的な、盗賊のねぐらって感じだなあ。


いや、よく見たら床が少し整えられてる。


移動しやすくするため?


でも、ただの盗賊でそんなことに気を付けるのはなかなかいない。


うげっ!


ってことは、下手すると貴族とか絡んでたり・・・


あたしを攫ってきたとこから考えるに人身売買か?


うわー、思わぬところで大きな厄ネタに当たっちゃったよ・・・。


そんな風にげんなりしてたら、どうやら目的地に着いたらしい。


部屋の中には他にも気配があるし、攫われたのはあたしだけじゃなさそうだ。


「おら、追加だ。」


「きゃっ!何っ!?」


「ひっ!」


あたしは無造作に檻の中に投げ込まれた。


それで気がついたフリをしつつ、鉄格子の向こうにいる男を怯えたように見つめる。


「よう、起きたか嬢ちゃん。」


「な、なんですか、あなた・・・それに、ここは?」


「ま、運がなかったと思って諦めな。そうそう、下手に騒ぐとどうなるか、わかるよな?」


男は剣ちらつかせて、そう脅しつけてきた。


あたしは震えながら、頷く。


「ほれ。」


檻の中のあたしに向かって、何かが投げ込まれる。


これは・・・腕輪?


「黙ってそいつをつけな。ほら、早くしやがれ!!」


「ひっ!は、はい。」


カチャっと着けてみると、魔力を吸われる感覚が。


これ、魔封じの腕輪じゃねえか。


こんなもんを持ってるとは、いよいよ普通の盗賊じゃなくなってきたぞ・・・


「よし。それじゃ、おとなしくしてるんだな。」


男はそう言って部屋から出て行った。


見張りは外にいるみたいだ。


そんで、檻の中は・・・


「あの・・・。」


「はい?」


そこで、声をかけられた。


さっき、少し悲鳴を上げてた女の子だ。


あたしと同じくらいかな?


大きな丸い眼鏡をかけて、長い金髪を三つ編みにしてる。


普通にかわいいから、それで連れて来られたのかな?


「あなたは・・・」


「は、はい。あの、あたし、ミアって言います。」


「私はルタです。」


そうして自己紹介の流れからいろいろ聞き出してみたけど、うわあ、ろくでもないなぁ。


ミアは地元の街娘で、昨日、路地裏を歩いていたら捕まったらしい。


しかも、相手は衛兵。


見たことない相手だったけど、衛兵相手に逆らえるはずもなく、ここまで連れて来られたらしい。


しかも、ここから貴族相手に売られる、なんてことも教えられた・・・っていうか、怯える様子を面白がったやつが聞いてもないのに喋っていったらしい。


わかりやすく腐ってるなあ。


「それで、もうダメかなって思ってたら、あなたが来たの。」


「そうでしたか・・・。」


ふむ・・・貴族があたしらを買いに来るのが明日・・・かぁ。


「ねえ、あたしあっち、もうダメなのかな?」


「希望を捨ててはいけませんよ、ミアさん。」


「で、でも、どうやっても逃げられそうにないし。」


「それは・・・。」


ふむ。


「ミアさん、今からすることに、決して大声を上げてはいけませんよ。」


あたしはそう言って、嵌まっている鉄格子に近づくと、


グイっと簡単に鉄格子を曲げて見せた。


「へぁむぐっ!!」


でも声を上げかけたミアの口を急いで塞ぐ。


「しー、です。お静かに。」


「むぐ(こくこくこく)。」


もう大丈夫そうだし、手は放してあげよう。


「す、すごいよルタさん!これで逃げれるんだね!!」


「いいえ、今は逃げません。」


「な、何で!?」


「ねえ、ミアさん。あなた、悔しくないのかしら?信じていた街の衛兵に騙されて、こんなところに連れて来られて。」


「それは、そうだけど・・・」


「なら、やつらに一泡吹かせてやりましょ?」


そう言ってウインクをかましたあたしに、ミアは目をぱちくりさせていたのだった。




次回の更新は2月8日(土)午前6時の予定です。

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