第27話 淑女偽装+お仕事=旅立ち(再)
ごきげんよう。
わたくし、リタ改めルタと名乗る使用人でございます。
リーフィ侯爵夫人の命で、使用人の仕事を通じて淑やかさを養う訓練を科されたわたくしですが、一瞬でクリアして差し上げましたわ。
わたくしが使用人の皆様にご挨拶する場に同席していた夫人の、鳩が豆鉄砲をくらったような顔ときましたら・・・
おハーブが生えましてよ~!!
おーっほっほっほ!!
・・・・・・。
まあ、そんな感じで一瞬でやることが終わっちゃったわけなんだけど・・・ん?
お淑やか口調はもういいのかって?
外面は完璧だからいいのよ。
心の中くらい、楽にいこうぜっ!
・・・誰に言ってるんだろう。
ともかく、ギャルム侯爵についての情報を集める1週間。
あたしは速攻でやることがなくなっちゃったわけで。
夫人に何すればいいの?って聞いた結果。
「あなたは使用人に馴染んでなさい。」
と、呆れ混じりに黒い笑顔で命令された。
「ちょうど、何かしらに使えそうだもの。」
いや、マジで何させる気だ?
そんなこんなで内心は戦々恐々としつつ、おほほと笑いながら優雅に使用人生活を満喫していた4日目、その時が来た。
それは、あたしが午前中の仕事を終え、メイド長の計らいで小休止をしていた頃。
急に夫人があたしを呼んでるって連絡が来たから、部屋に行ったら・・・
「ルタ、あなた、少しおつかいに行ってらっしゃい。」
「はい?」
なんか、おつかいを頼まれた。
「場所はウチの王都の屋敷ね。」
しかもちょっと遠くない?
ここリーフィ侯爵領から王都まで、片道2週間はかかるんだけど。
「情報収集の結果がわかるのって、2日後だよね?それだとあたし間に合わないんだけど・・・」
「問題ないわ。あちらさんも手強いらしくて、時間を伸ばすことにしたの。」
「そもそも、1週間で完璧に情報が集まるはずはありませんからね。奥様の人使いが荒いだけです。」
「あくまでも1週間は目安よ。失礼しちゃうわね。」
相変わらず、主人に対しても容赦のないメイドだな、この姉ちゃん。
「これを持ってお行きなさい。」
「手紙?」
「ええ。一連の話と、それとあなたのことが書いてあるわ。主人に直接、渡して頂戴。」
「わたくしがいきなり行って会えるものなのです?」
「何、その喋り方?」
「淑女としては自然でしょう?」
元々、あなたの命令でしてよ、おほほほほ。
「気味が悪いわね。」
失礼な!!
「ここでは誰にも聞かれないから平気よ。」
そういえば、ここ例の防音室だったね。
「・・・で、あたしが直接行って、会ってもらえるもんなの?侯爵様なんでしょ?」
「だから、これを渡しておくわ。」
「これって、指輪?」
なんか豪華な装飾されてる。
「それと、こっちの手紙を門番に見せなさい。そうすれば、話は通るはずよ。」
「また手紙?」
「ええ。そっちは最初に渡して頂戴。くれぐれも、さっきの手紙は直接渡すように。」
「わかった。」
「頼むわよ。」
まあ、こうして送り出されて、王都に行くことになった。
そして、夫人のところから出発して1週間・・・あたしは今・・・
「へへ、思ったよりうまくいったな。」
「大人しくしてなよ、嬢ちゃん。悪いようにはしねえからよ。へへへ。」
ガタガタ揺れる馬車の荷台に、縛られて乗せられてるのでした。
面倒なことになったなぁ・・・。
次回の更新は2月1日(土)午前6時の予定です。
追記
次回以降での経過日数のズレが発覚したため、旅立ってからの日数を2日から1週間に修正しました。




