表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/57

第1話 集会+拳=修道女

新連載です。

これからよろしくお願いします。

ここは、とある小さな村。


人口約30人からなる小規模集落。


そんな村は今、悲鳴と怒号に包まれていた。


踏み鳴らされる振動で地面は揺れ、あちこちから破壊音が響く。


「あら。」


それは今、わたくしがいるこの集会所も例外ではなく。


外部の喧騒が大きくなったその時、入口の扉が大きく開かれた。


「グガルルル・・・。」


飛び込んできたのは大きな狼。


大型バイクくらいの大きさはあるでしょうか。


「いけない!!シスター様!!」


「早くお逃げください!!」


周囲の方が声を張り上げます。


わたくしを逃がしてくださるおつもりのようです。


こういった事態は初めてではないのでしょうね。


とはいえ、目の前の大きな狼──フォレストウルフはわたくしから目を離しません。


せっかくのご厚意でしたのに・・・仕方ありませんね。


「シスター様!!!しっかり!!!!」


必死な呼びかけは、もはや叫びといっていい代物ですわね。


目の前のフォレストウルフは、大きさからして群れの主でしょうか?


そんな魔物と相対して、敬虔な修道女が微動だにしないのですから。


周囲から見れば、足がすくんで絶体絶命といった感じでしょう。


ですが・・・


「問題ありませんわ。」


わたくしは穏やかにそう言い放ちます。


その言葉を皮切りに、目の前の巨躯は小さな獲物(わたくし)へと飛び掛かってきます。


その鋭く大きな爪は、少しでもかすればわたくしのような少女など簡単に切り裂き、禍々しい牙の並んだ口は、骨などものともせずにかみ砕くでしょう。


ですが、そんなものはなんの問題もありません。


なぜなら──


「グギャンッ!?」


見切って躱す必要すらもないほどに、その顎先に拳を叩き込むなど簡単で。


(のろ)いんだよ、ワン公が。」


思わずそう、吐き捨ててしまったのだから。


「にしても、やっぱ動きにくいな、これ。」


もう面倒だし、外面とか今更だし。


「えーい、ビリビリーっと。」


足首まであるスカートを破り、スリットを入れる。


うん、動きやすい。


「やっぱ()()()はこっちのほうがいいわ。」


首を左右にコキコキと鳴らす。


目の前のデカ狼は完全に伸びているみたいだし、起きられても面倒だ。


両手を使ってコキュッと絞める。


「あと血抜きだな。」


手刀どすっ。


どばどばどばー。


処理も終わって、次の行動に移ろうとする。


周囲は唖然として固まっているが、まあいつものことだ。


「じゃあ、あたしは外の応援に行くから。あんたらはここで大人しくしてなよ。」


「・・・・・・。」


「おい?」


「・・・・・・。」


「おいって!!!」


「あ、はい!!」


固まっていた1人がようやくこっちの呼びかけに気づいた。


「あたしは行くからな?」


「はい。お気をつけて・・・。」


若干放心気味で少し気になるが、まあいいか。


あたしが集会所から出ると、そこに広がっていたのは蹂躙劇。


ただし・・・。


「えい!!」


「たあ!!」


「おくらいあそばせ!!」


「「「ギャバルルアアッ!!??」」」


人間陣営による、魔物陣営への一方的な殺戮であった。


「まあ!!遅いですわよリタさん!!」


モーニングスターをぶん回しながらそんなことを抜かす同僚のリリス。


頭の横についてる2つのドリル、両方燃やしてやろうか?


「うっせえ!そっちこそ中までデカい狼通してんじゃねえよ!」


「あら?ごめんあそばせ。野蛮なあなたのことですから、生で踊り食いがお似合いだと思いまして。」


「あ゛あ゛ん!?」


「はあ!?」


「はいはい、2人とも。まずは敵を倒すのが先。」


みんなの姉を自称するマリーがそう声をかけてくる。


マリーには世話になっているから従わざるを得ないな・・・。


「ちっ。命拾いしたな“デスドリル”。」


でもちょっとした仕返しはしておこう。


「こっちのセリフでしてよ“ボサボサ娘”。」


「「なんだと(ですってえ)!?」」


思わず反応が揃ったが、納得がいかない。


そっちは外に出てるだろうが!


こっちは頭巾で隠れてるからいいんだよ!!


「2・人・と・も?」


終わらないケンカに、止めに入ったマリーから般若が漏れ出した。


こ、これはヤバい!!


「あ、あたし向こうを片付けてくる!!」


「わ、わたくしはあちらですわー!!」


あたしたちは速攻で離脱した。


マリーを、怒らせては、いけない(がたがたぶるぶる)。


とにかく、あたしは村を襲う魔物の処理へと向かう。


これもシスターの務めだし、頑張るか。


などと殊勝なことを考える訳もなく、早く帰って夕飯が食いてーなとか考えながら、魔物の群れへと突っ込んでいった。



これはあたしたち、追放修道院のシスターの日常。


その一幕。


罪人やはみ出し者が集まる追放修道院。


そこに所属する一癖も二癖もあるやつら。


これはそんなやつらに振り回され、時には振り回すシスター。


ある時から前の記憶がない、リタ・ルディガンこと“あたし”の日常と冒険のお話である。




この第一話を除き、本作は毎週土曜日朝6時の更新となります。


次回の更新は3月11日朝6時の予定です。

お楽しみに!


追記:リタの苗字をルディアンからルディガンに変更しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ