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僕の中の錆びた歯車  作者: 知川トモヤ
2/2

今、始まる


   「おい!!坊や!しっかりしろ!」


 僕はこの声で目を覚まし、見上げると無精髭を生やした筋肉質の男がいた。


「よかった…….気がついたみたいだな。坊やずっと目を瞑ったまま動かなかったからてっきり煙でも吸って意識やられちゃったのかと思ったよ。」


この時、僕は泣き疲れて眠ってしまったということに気がついた。こうして意識がはっきりしてくると同時に今まで嗅いだことのないぐらい嫌な臭いが僕らを包み始めた。


「ウグッ……ウオェェェェ……」


「坊や、大丈夫か!?俺がさすってやるから楽になるまで吐けよ……」


僕は男に背中さすられながら昨日食べたものを全て外に出してしまった。吐き終わってしばらくすると男は鼻栓とマスクを僕に手渡し、それを付けた。


「ふぅ……落ち着いてきた。」


「それはよかった。ところで坊や一人か?名前は?」


「二宮悠貴。11歳。もともと一人っ子片親で母さんはこの事故で死んじゃって今は一人。おじさんは誰?」


「お、おう….悠貴か。えっと……俺の名は氷川剛志(ひかわたけし)。ちょいと前まで国防軍で元帥やってたけど今は辞めてスポーツトレーナーとボランティアやってるよ。」


なるほど、道理でガタイがいい訳だ。

剛志さんはやや眉をひそめ、頭をかきながら名乗り終わると僕にある提案をしてきた。


 「悠貴、俺と一緒にここ、柏山町をもう一度立て直さないか?」


「!!??」


予想だにしない一言に一瞬戸惑い、そして受け入れるかどうか迷った。なにせ僕はこの町に対してあまり愛着を感じたことはなく、今更復興させたいなんて思えない。

でも剛志さんの強い意志を持ったような瞳を見て断れなくなり、渋々受け入れた。


「そうか、よかった。じゃあ悠貴、早速だがこの町の周りで生き残ってる人を探そう。もし見つけたら意識を確認して俺に声をかけろ。仮に遺体とかを発見しても絶対に触るなよ?いいな。」


「は、はい!!」


僕は剛志さんの勢いに負けて気づいたら大きな声で返事をしていた。

 こうして僕は剛志さんと出会い、半ば強引ではあったが町の復興に参加することになったのだった。 


To be continued……

第一話投稿から大分時間が空いてしまって申し訳ございません。今後も著者のスケジュールを鑑みると次話投稿も同じぐらいの時間を要するかもしれません。ご理解の程よろしくお願いします。

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