『二章』⑳ Sの名を持つ奴ら
激しい戦闘音が背後からして、戻りたい気持ちをアカネは必死に抑えて前を向く。
ハルならきっと大丈夫だと信じて、アカネは走る足を止めなかった。
もう、戻ろう、とは言わない。
あの時とは違う。
ハルを信じてる。だからもう言わない。今は彼に背中を預け、彼の背中はアカネが守る。そうすることで、互いの信頼関係はより深くなり、問題の解決は早くなるだろう。
そう、問題だ。
九泉牢獄の奪還。
並びに、脱獄囚の捕縛、または撃破。
シャルいわく、九泉牢獄は九階層に分かれており、強い罪人ほど下層にいるという。その中でもS級罪人は七階層から八階層に収監されていて、九階層はS級の中でもたった一人で世界を滅ぼせるレベルの罪人がいるらしい。
国、ではなく、世界。
桁違いだとすぐにわかる。
故に、九階層に収監されている罪人だけは何があっても出すわけにはいかず、しかしS級罪人が脱獄しているということは少なくとも七階層までは解放されていることになる。
収容人数、実に一〇〇〇〇人。
その半数以上はAやBではあるが、それでも世に解き放たれたら大惨事は免れない。
罪人を処刑する日、『罪人選別』。
それどころではない展開が、容赦なく巻き起こっていた。
「牢獄に着いたらどうするの!?他にアレス騎士団の団員はいないの!?」
牢獄とはいってもようは刑務所。元の世界の刑務所には看守がいたのと同じように、この世界にも似たような人がいるはずだ。
でなければ、流石に食事などの面がまかえない。
だが。
「十中八九殺されてますよぉ。何せ罪人が一番殺したいのは私たちアレス騎士団なんですから、脱獄出来たら真っ先に狙われますぅ」
「ーーーーっ」
言われて、それもそうだと唇を噛んだ。
「とにかく今は一刻も早く牢獄に向かい、状況を把握しなければなりませぇん。だからーー」
「ーーヒャッハァ!!」
哄笑が醜く響き渡った。
アカネたちの顔が頭上を向く。森の緑の間、空と太陽が覗くそこに、二つの影。
瞬間、大地が三角形に切り裂かれ、鋭い轟音が響き、アカネの髪が数本宙を舞った。
転瞬、現状の最適解を導き出す。
大地が裂かれた。つまり『切り裂く』類の魔法。
ということは刀剣魔法は相性がいいだろう。
敵の数は二人。
ここから先何人の罪人がいるか分からない。いちいち一人一人の相手をしていたらキリがない。
だから今ここで、この二人を相手にすることがアカネにとっての最適解。
ーーそこに至るまでの思考、一秒に満たない。
判断。決断。魔法発動。
右手に日本刀を握った。
「ーー行って!!」
サクラ・アカネ。
彼女の勇気ある行動に仲間たちは全てを悟り、感謝した。瞬時に切り裂かれた大地から散開、二つ目の戦場が出来上がる。
そして二つの影が地上に降り立ち、地面が派手に抉れた。着地の寸前、わざと力を入れたのだと、アカネの空色の瞳が見切る。
先手必勝の言葉が脳裏を掠めた。
キッ、と眼光を鋭くしてアカネが一気に踏み込んだ。その踏み込みに、地面が抉れた。
抉れる現象の連続に泥犁島が泣く。
「刀剣舞踊ーー弐式、桜鮮刺突・閃!」
着地のタイミングに、この瞬光の刺突。流石に二人同時にとはいかないが、一人だけならこのまま貫ける。殺してしまう。けれど躊躇をすればこちらが殺されると本能が告げている。
アカネの刀の切先が、緑色の髪をした目つきの悪い少年の喉元に迫る。
「ケヒヒ。おせぇ」
「………なっ」
何もしていなかった。
緑髪の目つきの悪い、狼を連想させる少年は何もしていなかった。ただ笑って一言言っただけで、喉元を貫くはずだった刀の刀身が五枚におろされた。
バラバラに、散る。桜のように、落ちる。
「死ね」
「ーーっ!五連!!」
死神が背筋を撫でた、その刹那だ。緑髪の罪人が五指を揃えた手刀の突きが意趣返しとばかりにアカネの喉元に迫り、直撃の前に彼の周囲に銀色の瞬きーー五本の刀剣が迸った。
ズドドドドド!!と、闖入者の刀剣が罪人を襲う。
「………はぁ、はぁ、はぁ」
その隙に後退し、アカネは息を整える。
ーー少ししか動いていないのに,息が切れるなんて。この一ヶ月、素人だけれどセイラに稽古をつけてもらい、たまにハルやユウマとも組手などをしたから体力はついていると、自信はあった。
なのに、技を一つだし、五本同時に刀剣を出しただけで。
さて、それが『本物』の死を懸けた戦いだとサクラ・アカネは気づけたか。
間近に感じる自分の死のプレッシャーが、アカネの体を重くする。
そして、気づいた。
今更だが、ノーザンと戦った時は、アカネは戦っていたけど戦っていなかった。彼女も間違いなく強いと思う。
だがあの時、あの瞬間、あの場にはもう一人いなかったか?
アレス・バーミリオン。
測定不能の力を持つ人間が控えていたから、彼の存在が自然とアカネから死を遠ざけ,その感覚を麻痺させていたのだ。
だからこそ、本当の戦いを一人で体験するのはコレが初めてである。
そしてもう一つ言わせてほしい。
二人、と。先程言った。
つまり。
だから。
「いいねぇ!久々のシャバで一番最初に殺す相手が女で、しかも結構やるときた!最高だなぁおい!」
「……あの距離で、普通避けられる?」
最早苦笑した。
アカネの目の先、五本の刀剣が虚空に溶ける、その真ん中で緑髪の罪人は気分が良さそうに笑う。
正直、アレを避けるとは思わなかった。あの距離からの刀剣の放出は銃弾とそう変わらない。
なのに平然と、傷一つなく立っているのだから状況は最悪だ。
「あの距離ぃ?なに眠てぇこと言ってんだよ女。俺様からしたらあんなの止まって見えんぜ。よちよち歩きの赤ん坊かっての」
その言葉だけで、格の違いが理解できた。力の差を思い知った。
一人はフードがついたボロボロの囚人服を着た緑髪の少年だった。狼を連想させる尖った髪に鋭い瞳、好戦的な八重歯。纏う死の気配はエマを軽く凌駕している。
一人は長い黄色髪の、少年と同様ボロボロの囚人服を着た少女。無表情で無口、瞳に感情はなく、さっきから黙っているが抑えようとしていないオーラはどす黒く、同じ空間で息を吸っていたら体中に毒が回って死ぬかもしれないと思わせる、負の権化みたいだった。
今更ではあるが、ゾッとする。
「お前らがアレだろ、騎士団に〈のあ〉ってやつらだろ?」
アカネは眉を顰めた。
「……なんで知ってるの。……いや、そうか。聞いてるのね。「お父様」から」
シエの言っていたことが事実なら、九泉牢獄を狙っている「お父様」はアレスとハルを殺そうとしていて、騎士団はともかく〈ノア〉の存在を知っていた。
そして九泉牢獄に収容されていた罪人が〈ノア〉を知っている確率は非常に低い。自然と、導き出せる答えは「お父様」の情報開示による知識の上書きだ。
「あー、ドロフォノスのヤツのことか。なんかよ、俺らをシャバに出してくれる条件としてお前らを殺さなくちゃいけないらしくてな。恨みはねぇが、とっととこんなところから出てぇしよ。悪いけど俺に殺されてくれよ、剣女」
「…………、」
やはりドロフォノス、「お父様」かとアカネは険しい表情で自分の予想を肯定した。
罪人が外に出る条件としては、まぁ妥当だろう。狙われる理由は果てしなく謎だが、拘られてる以上そうなるんじゃないかとは思っていた。
「……あなたは、「お父様」が誰なのか知っているの?」
狼に似た緑髪の罪人は肩を竦めて、
「知らねぇよ。つーか興味がねぇ。誰だろうと俺には関係ねぇことだし、五、六人殺すだけでシャバに出れるんだったら一回だけなら言うこと聞いてやる、それだけだ。あとは知らねえ。お前ら全員殺して俺はこの島から出る。それだけなんだよ」
「人を殺してあなたはここにいるんでしょ。なら外には出れない。ちゃんと罪を償うまでは、あなたはここにいなくちゃならない」
譬え赦されないとしても。
赦されるように生きることを覚えることは出来るはずだ。
しかしアカネのそれに、緑髪の罪人である少年は珍しいものを見るような目で少女を見ると愉快げに笑った。
まるで偽善者を馬鹿にするような笑い。
「アハアハあはあはあは!!お前、お前何言ってやがんだぁ!?罪を償う?おい偽善者。罪を償うって、具体的には何をすればいいんだ?そもそも、俺たちがイヤイヤ人を殺したとでも思ってんのか?」
アカネはエマを知っている。彼女の憎悪と憤怒を知っている。だからイヤイヤ人を殺してはいないことくらい理解している。
罪人は、おそらく自分の明確な意思で人を殺している。
だから、アカネが言葉に詰まったのはそれではなくて。
罪を償う具体的な方法とは、さてなんだろう?
判決が下った刑を全うすること?そうかもしれない。だがそれは自己満足で、被害者や被害者遺族はそれで納得するのだろか?
罪人は例外なく極刑らしいが、それはつまり罪人の贖罪の形は「死」以外にないわけで。
ここにいなくちゃいけない、は。
ここで死ね、と言っているのと何も変わらないんじゃないか?
それは、本当の正義と呼べるのか?
「答えられねぇなら気安くこっち側にくんなよ」
「ーーーー!」
冷えた声があった。
戦闘中に、それも罪人との戦闘中に意識を、思考を他にやるなど笑止千万。それが出来るほど今のアカネは強くないというのに。
ハッとした先、緑髪の罪人が近づくことなく、ただその場に立ったまま右手を縦に振り下ろした。
直後。
地面を裂きながら不可視の斬撃が確実にアカネの許に迫ってきていると悟る。
咄嗟に日本刀を前に出し、相殺する構えを取る。
それは、織り込み済みだったようだ。
キキン!と。
アカネの日本刀が不可視の刃を相殺した瞬間、すぐ近くに、それこそ懐深くに彼の姿があって。
「第S級指定罪人・裂嗤魔、ガジェットだ。細切りにしてやるよ、剣女」
「ーーーーっ!?」
手刀が、振り抜かれた。
:::::::::
ーーハルとアカネ。二人が命を懸けて敵を引き留めてくれた、そのすぐ後。
まるでここに誘き寄せられたかのように、セイラたちはそこにいた。
ーー総勢一〇〇〇人を超える罪人の群。
九泉牢獄はもうすぐそこではあったが、これほどの人数を前にすれば嫌でも理解してしまう。
ーー罪人は、ほぼ全員が脱獄したと。
残りの罪人がどこにいるのかは見当もつかないが、この窮地を脱しない限り先のことは考えられない。
各々が、臨戦態勢に入る。
互いが互いの背中を預ける、その構図。
この群の中に、いくつかの強大な気配。おそらくS級だろう。
全くとんでもないことに巻き込まれたなとセイラは息を吐く。
温泉街を楽しみにしていた気持ちを返してほしい。
だがまぁ、そうも言ってられないのは事実だ。このまま放っておけば、この国は終わる。特に九階層にいるという神魔を外に出せば。
それだけは何があっても阻止しなくてはならない。
故にこれは敗北が許されない戦いであった。
セイラ・ハートリクス、ユウマ・ルーク、ギン、そしてアレス騎士団。
彼女らは荒波のように押し寄せてきた罪人を、真っ向から堂々と迎え入れた。
::::::::
ーー全身が,焼けるように痛い。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ」
九泉牢獄、その内部。
八階層。
S級罪人が囚われている地獄の階層に、ノーザン・ドロフォノスはいた。
「……はぁ、はぁ、はぁ……っ。な、んで」
紫髪に妖艶な顔つき,身体。血に染まるその綺麗な顔はしかし、汗に濡れて唇を噛んでいる。
薄暗い壁に手を預け、倒れそうになる体に必死に力を入れて前へと進む。
ーー聞いていた話と違う。
「本家」の、「お父様」の目的はアレスと真六属性の殺害及び九泉牢獄に収容されている全罪人の解放。そして全ての罪人を従えて「サフィアナ王国」に宣戦を布告することだ。
そうだと聞いていた。
そのために、ドロフォノス純血の「本家」は混血である「廃家」に協力を要請し,そしてノーザンたちはそれを受諾、受け入れた。
〈ノア〉とアレス騎士団を引き合わせ、海で襲撃して泥犁島の座標を奪う。その時に彼らを殺せたら万々歳だし、譬え無理だったとしても泥犁島で殺せばいい。
シルエット・ドロフォノス。
彼女の魔法はほぼ無敵だ。好愛空間内ではあの子は神に等しい。だからそれを使って奴らを泥犁島まで強制的に送り、その瞬間を脱獄囚で叩き殺す。
そのはずだった。
そうなる予定だった。
それが正道だった。
なのに、全てが違った。
意味がわからなかった。
「お父様」たちは一週間後の『罪人選別』当日に泥犁島に来ると言っていたのに。
シルエットには「本家」から直接干渉はしないと言っていたのに。
ーー薄暗い空間、「下り階段」が見えた。
下る。
下る。
下る。
本物の地獄へと堕ちるように。
予想外の事態だった。不測の事態だった。
シルエット・ドロフォノス、彼女の魔法の暴走。
結果的に奴らをこの地に送れたからいいものの、何故シルエットの頭に直接指令魔力を送り込んで操り、魔法を暴走させた?
それじゃあまるで、失敗することが前提で、そもそも最初から信用なんてしていなから最終的には自ら手を加えてあらすじを変更するつもりだったと言っているようなものじゃないか。
ーーそれだけなら、まだ許せた。
極めつけは、だ。
泥犁島に飛ばされて、すぐだ。
ガクガク震えるシルエットーー『テレサ』が砂浜に座り込み,ノーザンは「半殺し」状態に陥って頭を掴まれていた。
ーー「お父様」だ。
「もう一度言う。シルエットはこちらが預かる」
「……な、何故、ですか。彼女の、役目はもう、終わり、ました……っ。それに、「お父様」の干渉の影響で、精神が不安定です……」
「シルエットはまだ必要だ。それだけだ。ノーザン、お前が口を出すことじゃない」
「……だし、ますよ。だって、私は……」
「もう黙れ」
「あぐぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」
全身の骨を砕かれた。何をどうされたのかわからない。とにかく骨が全部死んだ。体が死んだ。涙が死んだ。声が死んだ。音が死んだ。光が死んだ。
血まみれになり、血涙し、砂浜に倒れ、瀕死のままノーザンは顔を上げる。
今まさに、シルエットが「お父様」に連れていかれるところだった。
なんで、こうなった。
なんで、この人がここにいたんだ。
この人は、何を考えているんだ。
本当に、「サフィアナ王国」への宣戦布告が最終的な目的なのか?
そもそも。
何故この人は座標を知らないのに、まだ教えていないのに泥犁島に来れた?
ーーこの仕事は、作戦は、計画は。
本当に重要だったのか?
知らず、声が出た。
掠れた、小さい、細いこえ。
「て、れさちゃん……」
待って。
「テレサ、ちゃん……っ」
おねがい。
連れていかないで。
「「お父様」、お願いしますっ。その子は、その子だけには……っ!」
私の大切なーー……。
その懇願は、伸ばした手は届くことはなく。
『次女』の肩書きを持つ「親」の前で、『三女』の肩書きを持った「子」が最恐の理不尽に連れていかれて、ここに一つの悲劇が生まれた。
そうして現在。
ノーザン・ドロフォノスは瀕死の体を、寿命を縮めるように動かしてそこへ辿り着いた。
九階層。
または、階層九。
もしくは、「最高の死に場所」。
全部で六室。
その一つの牢屋の前に、ノーザンは立った。
「………外に、出してあげる」
息も絶え前にそう言って、ノーザンは懐から何かを取り出した。
牢の鍵。
拘束具解錠の鍵。
「その代わり、条件があるわ。……ドロフォノス家当主を、殺して。殺して、捕まった子供を助けて。……それが、外に出す条件」
ノーザンでは逆立ちしたってあの人には勝てない。だがコイツなら。
しばしの沈黙。
返答はなかった。する口が塞がれているから無理はないが。
しかし逆に、それはノーザンの条件を呑んだかのように見えた。
紫髪の美女は牢の鍵を開け、ソイツに近づく。
これだけで、自分の命を諦めそうになった。
何もかもが規格外。あの第一級特異点と同等か、あるいはそれ以上。
これなら、殺せると確信する。
取り返せる。
拘束具を、外した。
瞬間、拘束具も牢屋も何もかもが、「消えた」。
剥き出しの地下地面が表出し、ノーザンが息を呑む。
ーー私も、こうなっていたかもしれない。
サラリ、と。
白黒の長い髪の毛が美しく靡いた。
キレ長の、黒と青のオッドアイ。雪のように精緻で、繊細な顔立ち。触れたら消えてしまいそうな、切ない表情で、彼女は唇を緩めている。
ボロボロの衣服を着たまま、自分の体の調子を確かめるように五指を握って開き、それだけで握った空間が「消滅」しているが、彼女に気にした様子はない。
「ーーねぇ」
「………っ」
どこかで見たことがあるような気がしていたら、彼女が話しかけてきた。
ビクっとなりながら、ノーザンは答える。
「な、なに」
「ふふ。そんなに怖がらないで。あたしはただ、あなたにお礼が言いたいだけなんだから。ありがとう、あたしを解放してくれて」
識別名と、その禍々しい魔力とは裏腹に声や口調、表情は穏やかだ。
白黒の長い髪が、幻想的に揺れる。
「あなたの願い、叶えてあげる。ドロフォノスの当主……あぁ、「あの子」ならよく昔遊んであげたから。あなたの恨みは、あたしが晴らしてきてあげるから、安心して?」
笑っているのに。ここまで笑みが似合わない人間が果たしているのだろうか。
黒い。
どこまでも黒い。
不意に、後悔した。
一人で世界を滅ぼせるレベルの災厄。
これは、解き放ってはいけないものだった。
「お父様」は確実に殺せるだろうが、それと一緒に世界も滅ぶ。
そう,思ってしまった。
「それじゃあ。願いが叶ったらまた会いに来るね。楽しみにしてて」
「…………、」
そう言うと、彼女は残りの牢屋にいる同格の奴らに一瞥をくれるとゆっくり闇に溶けていった。
緊張が解け、その場にへたり込む。
そしてノーザンは思い出した。
誰に似ているのか。
ーーそうだ。
ーーあの、剣を使う女の子に似てるんだ。
第S級指定罪人・神魔。
天災と化した化物が、世に解き放たれた。




