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子どもの頃の恐怖
火垂るの墓の
母親が全身に包帯を巻かれている姿
子どもの頃にフィルムコミックで目にして
とてつもなく怖かった
いま映画を見ても
直接的にその場面が怖いというより
子どもの頃の恐怖を思い出して怖い
そうだ、子どもの頃は
戦争で肉体を破壊されるのを想像するだけで
こんなにも怖かった
その感性のまま剥き出しの凄惨さを見せつけられつづけたら
こころが破壊されてしまうだろう
だから自分はずいぶん鈍くなった
映画が所詮は映画であるというだけで
恐怖を一切感じなくなるくらいに
それは恥ずべきことなのかもしれない
こころが破壊されるよりも




