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雪の記憶

 いままででもっとも幸福な思い出はなにかと問われれば

 真っ先に浮かぶ光景がひとつある

 子どものころ

 冬の学校に雪が降りつもり

 授業はやめて遊んでいいこととなった

 しんしんと雪の降る校庭に

 恩赦おんしゃたまわった囚人のように躍り出る生徒たち

 ぼくもクラスメイトと一緒に外に出たはずだったが

 いつのまにか一人で遊んでいた

 マイペースにころころと雪玉を転がしていると

 いまでは隣のクラスになってしまった友達と鉢合わせて

 一緒に雪だるまを作ることとなった

 そうしてまたひとり友達が合流し

 雪だるまを作り終えた後は

 お定まりの雪合戦

 なにもかも白い景色のなかで

 周りはだれもが遊びに夢中

 ふしぎなほど静かなこの遊び場なら

 どこにでも友達がいるような気がして

 だれとでも仲良くなれるような気がして

 この世界はなんて優しいのだろうと思った


 世界の残酷な相貌があらわになっても

 いまだにぼくは

 あの日の雪が忘れられない

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