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死ね、と

 死ね、と

 わたしのなかに

 その言葉がふくれあがる

 発作のようなものだ

 わたしはこの言葉が好きだから

 ときどき撫でまわしたくなるのだ


 死ね、と

 それはなにに向かってなのかわからない

 自分に対してなのか

 気にくわない何らかの事象に対してなのか

 気にくわない他人に対して、ではないと思う

 幸福なことなのか不幸なことなのか

 苦手な相手はいても

 死ねと思うような他人は

 知っているかぎりいないから


 死ね、と

 発作のように

 胸の内側で叫びが起こる

 歩いているとき

 息をついたとき

 水を飲んだとき

 眠ろうとしたとき

 日常の傍らで叫びはいつも

 発作のように


 死ね、と

 わたしはこの言葉

 この叫び

 この発作を

 嫌いになれず

 嘆かわしいとも思えない

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