表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/916

自虐詩

 こんなに暗い詩を

 だれが好んで読むのだろう

 ぼくだって読みたくないよ

 こんな陰鬱な言葉の連なり

 しかも無駄に量は多いし

 くだらない思いつきばかりで

 単語の選びもリズムもワンパターン

 モチーフだって死の一点張り

 暗いわりに重みはないし

 そりゃ詩人って名乗るのは自由だけど

 向いてないんじゃないの

 言葉に愛されなかった詩人は哀れだね

 少しは人を喜ばすようなものを書いたらどうなの

 きみがそれほど恋い焦がれてる詩神だけど

 最近すてきな恋人が出来たそうだよ

 きみが終生忘れられなくとも

 向こうはとっくに忘れてるだろうね

 本当に哀れだよ

 そんなに死にたければさっさと死ねば

 自殺者の書いていた詩ということなら

 一部の物好きは読むんじゃないかな

 もちろんきみの言葉に興味があるんじゃなくて

 きみのありふれた悲惨に好奇心がわいただけだよ

 それも二日で忘れられるけどね

 なにせありふれているから

 あの世に行ってからも詩を書くつもり?


 と

 自らに罵倒されながら

 まだ生きているぼくは

 まだこの世で暗い詩を書いていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ