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見下すという罠

 なにかを見下すとき

 馬脚があらわになりやすい

 物語において

 登場人物からも作者からも作品世界からも明らかに見下されているような愚かなだれかが描かれているとき

 そのとき危機が訪れる

 その視点は、何様なんだよ

 その蔑みをわざわざ見せびらかすことに、どんな正当性があるんだよ

 物語の品性が問われる危機だ

 その危機をくぐり抜けるのに必要なものは

 思いつくままに挙げてみるならば

 その愚かさへの愛、もしくは好奇心

 その愚かさは自分のものでもあるかもしれないという苦々しい自省

 その愚かさへの痛みにも似た切実で激しい怒り

 それらすべてをもってしても

 見下すという罠から逃れられるとはかぎらない

 愚かなものを見下してなにが悪いのか?

 別に悪くないのかもしれないが

 なぜだか物語の品性はそれを許さない

 当然のようになんの留保もためらいもなくだれかを見下す物語は

 いずれ裁かれる

 見下すことを拒む未来から

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