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恥ずべき魂

 虐殺の記録を読んでいると

 自分が分裂しながらその場を想像していることに気づく


 一方の自分は殺された側

 為すすべなく理不尽にその命を刈り取られた

 哀れな魂の側に身を置いて

 一方の自分は殺した側

 人間が持ち得る残虐性の限りを尽くしたような

 哀れな魂の側に身を置いて

 余りの部分は

 その悲惨を傍観している

 鼻持ちならない神のような

 哀れな魂の側に身を置いて


 そうして

 すべてを他人事のように眺める限りにおいては

 すべての人間を哀れと一括りにして

 慈悲深い神のような満足感を簡単に得られるのだから

 ぼくの魂は

 余りの部分がその大半を占めており

 どうしようもなく傍観するしか出来なかった人々よりもなおいっそうに

 鼻持ちならない恥ずべき魂でしかないのだ

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