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フグ

 愛に必ずつきまとう

 若干の気持ち悪さ

 それは痛ましくも致命的で

 フグのようなものであり

 その毒は取り扱い注意であって

 愛はときにフグのように

 気軽に食べた者を死に至らしめる

 あなたを愛しています、とか

 人類に愛を捧げます、とか

 それはつまり、無理矢理に相手の口をこじ開けてフグを詰め込むようなおそろしき所業でもあって

 おまえの愛なんているか、と撥ね付けるのが

 少しばかり角が立つとでもいうのなら

 わたし、フグを食べたいわけではないのです、と

 臆病な食通のような澄まし顔で

 愛を拒むのが作法というもの

 博愛、性愛、人類愛

 そんなおそろしきものが近寄ってきたり

 自分のなかに沸き上がってきたとしたら

 ああ、フグが泳いでいるな、と

 横目で硝子越しに見ていればいいだけなのです

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