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凶暴な気持ちがわいてくる
凶暴な気持ちがわいてくる
この昂りを鎮める音楽を
書物を
自分は知らない
まだ見つけていない
ずっと探しているのに
凶暴な気持ちがわいてくる
人になにかを押しつけたがる間抜けを
永久に罵りたい気分
とりわけ利得のために他人のいのちを奪う間抜けどもを
言葉で葬り去りたい気分
死ね、死ね、死ね、死ね
幼稚な言葉しか出てこない
その程度の凶暴さ
鼻で嗤われるばかりの激情
死ね、死ね、死ね、死ね
人を殺すしか能のない知性は死ね
死ね、死ね、死ね、死ね
おまえらの無関心と俺の無関心のどこが違う
なにも違わない
それがいちばん腹立たしいのか
死ね、死ね、死ね、死ね
幼稚なままでいい
人を殺すしか能のない成熟
ガキの目線から嗤いつづけている
死ね、死ね、死ね、死ね
死ねという言葉をだれかに向けて使いはしない
それでもこの言葉をこころに禁じたおぼえは
一度もない
忌むべき愚劣さを生涯罵りつづける
死ね、死ね、死ね、死ね
路傍に寝転んで吐くまで叫ぶように




