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登場人物を殺すこと

 昔から疑問に思っていた

 登場人物を殺す作者は

 ずいぶん卑劣な行為に手を染めていないかと

 神のごとき作者が神のごとき手で登場人物をぶち殺す

 おあつらえ向きの運命を仕立てて

 そこに一抹の無常感をスモークのように漂わせたり、サクラのごとき泣きたがりの別の登場人物を配したり

 ずいぶん念の入った演出に精を出す

 助けようと思えば助けられるのに助けずに殺しておいて悲しい、悲しい、と言いたげなのは

 ひどく滑稽な所行ではないかと

 その正当性に疑問を抱いていた

 そこになにがしかの公正さがあるとしたら

 現実にも人は死ぬということ

 助けられるのに助けられなかったりすること

 地上を這う被造物にとっては死は不当なものとしか感受できないこと

 神に、世界に、社会に、他者に、いずれぶち殺されるのは、だれだってそうだということ

 現実もときに演出され、運命をもっともらしく仕立てられ、悲しい、悲しい、と物欲しげに言いたげで、ずいぶん滑稽だったりもすること

 現実を背負って書くことしかできないなら、結局そうなってしまうということ

 とはいえどれだけ言い訳しても

 作者は卑劣で

 神も卑劣であるということ

 外面的には

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