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いま、ひとりの作家に熱中していて

 いま、ひとりの作家に熱中していて

 もとから好きだったけど

 いまは誰よりも興味がある

 もう死んでいる

 もう亡くなっている

 水のなかをもがくような文体

 笑っていいのかわからない異様な滑稽さ

 戦争の死、近親の死、伴侶の記憶の死

 すべてに異様な視線を注いで

 笑いながらはにかんでいるような

 晩年まで異様なまま書きつづけた

 言葉が遅れてやってくるような理解しがたさ

 その向こうから透ける優しさなのかわからない異様な光

 おめおめと生きて、なにかいいことがあるかといえば

 わからないものをわからないまま

 その魅力だけはわかるようになったことは

 生きていてよかったといえそうだ

 いま、ひとりの作家に熱中していて

 その言葉を読むために生きている気がする

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