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数かぎりなく
数かぎりなく人を厭う
数かぎりなく言葉を厭う
自我の悪臭が苦手だった
関係の古井戸が手狭だった
数かぎりなく離れた
ここに自分の居場所はないな
すぐに離れた
着脱自在な魂によって
相手に気づかれないまま離れた
いつ離れたかも何をきっかけに離れたかも
どれだけ語っても伝わらないだろう
わたしほど離れやすい人間はいなかった
さっきまで近かったのにもう離れていた
離れたくなかった相手からは
先んじて離れられた
なにかの報いかもしれない
わたしはさらに離れやすくなった
数かぎりなく眠って
数かぎりなく起きた
まだここにいた
数かぎりなく
数かぎりなく
