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“普通”が怖い
対人恐怖があまりにも募ると
コンビニや本屋のレジのやり取りですら
勇気のいることとなってしまう
店員に商品とお金を渡し
お釣りと商品を受け取るだけ
なんなら言葉すら発しなくていい
そんなことですら
足が震え
声が出なくなるような恐怖に包まれる
他人である店員に悪意はない
あったとしてもきちんと隠されている
でもその“普通”の応対や態度が
ぼくをたまらなく怯えさせる
そしてぼくと同じような
自信もなくひたすらに暗い人にとっては
ぼくこそがその人にとっての他人であり
その人を怯えさせる“普通”なのだ
このどうしようもないありふれた“普通”の相互不信を
だれかぶち壊してくれないだろうか