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首を吊らない理由

 首を吊らない理由をいくつ

 ぼくは用意できるのだろう

 人を殺した人が

 国家によって吊るされることには

 どれだけ抵抗があり納得できなかったとしても

 理由がある

 首を吊るシステムの国家に安住しているなら

 自分が首を吊らない理由を

 見つけなければいけない気がして

 いまのところ見つからない

 人を殺した人が

 吊るされるのは当然だという論理に

 後ろめたさを覚えず抗える理由も

 いまのところ見つからない

 ただ惰性の日常によって

 深く考えることを回避して

 自然のままに任せているだけ

 首を吊るというのは不自然な行為だから

 それによって

 自分の首吊りはいつまでも先送り

 自分が自分に耐えられなくなるまでは

 いくらでも曖昧にぼかすことができる

 人を殺した人は違う

 首吊りのシステムは確立されているから

 惰性によって過ごしていても

 その日常は明確に断ち切られる

 人を殺した人が

 だれかの日常を断ち切ったように

 この世からそのいのちを抹消される

 首を吊らない理由をいくつ

 ぼくは信じられるだろうか

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