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再読天国
再読天国
同じ本を繰り返し読むのは
楽しいな
同じ音楽、同じ演奏を
繰り返し聴くのと同じように
再読天国
再読するために
再読を期待して
初めて出会う本を読む
ある瞬間にこの世に現れた
記録すべきと信じられた観念
ある瞬間にこの世に現れた
音楽の輝かしさと同じように
再読天国
人と会うとき
あなたがいなくなった後
あなたを思い出すために
いま、あなたと話しています
そんなことは普通は言わない
でも本には
そう語りかけるように
触れても許される自由がある
再読天国
読まれるべくして読まれる言葉は
汲めども尽きぬ泉のように
砂漠の砂よりも多い数だけ
読まれてもなお清澄に響く




