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口笛の上手い神様

 ぼくにとって神はあまりに自明なので

 人に説明しようとは思えないし

 押しつけようとも思わない

 論理的にその不在を説かれても

 いないならいないでいいやと頷きながら

 信仰のおもりは小揺るぎもしない

 科学の話は大好きだ

 幽霊の話と同じくらい好きだ

 あまり節操がなさすぎるので

 これではきっと

 信徒からも唾棄される信徒

 黒よりも黒い背教者

 あるいはそれは思い上がりで

 初めからいなかったような

 信仰を履き違えただけのひとつまみの砂粒

 まあそんなことはどうでもよくて

 つまりぼくには常に口笛が聴こえているようなものであって

 その消え入るように途切れがちな不滅の音楽が

 たしかに心を震わせているのなら

 口笛を吹く何者かが存在すると思うのが自然なわけで

 つまりぼくの信仰する神は

 口笛がとても上手いということ

 それだけは言っておきたかったのだ

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