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パン屋が神聖に見えた日
パンはおいしいね
焼けて焼けてこんがり焼けて
柔らかな膚を焦げ跡で隈取らせた
聖者のようなパンはおいしいね
パンは素敵だな
並んで並んで店中に並んで
ひっそりとしたパン屋を聖堂のような光で満たした
木漏れ日のようなパンは素敵だな
パンって
パンって
なんて清らかなんだ
パン屋に入った時のあの静寂
袋に包まれたパンを持つ帰り道
魂を手に取ったようなあの心躍り
パンさえあれば人は幸福だ
パンさえあれば世界は愛だ
パンを食べよう、パン屋へ行こう
パン屋へ行こう、パンを食べよう