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砂時計

 寿命

 わたしに残された時間

 生まれた時に落ち始めた

 目かくしされた砂時計


 さらさらと

 音が聞こえる

 地割れに呑み込まれる羊の群れのような

 砂たちの落ちる

 音


 わたしの欲望

 砂の落ちきる前に

 砂時計のガラスを

 握りつぶしたくなる

 わたしの衝動

 わたしの希望

 わたしの咆哮ほうこう


 涙

 だれかが泣いている

 砂よりも美しい音をたてて

 だれかが泣いている


 泣いているのはだれか

 わたしなのか

 あなたなのか

 わたしでもあなたでもない

 人ならざる何者かなのか


 泣いているだれかの

 砂をこの手で受けとめるために

 わたしは生きたい

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