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言葉にされた祈り

 本棚に並ぶ

 愛する言葉たち

 それを語った人たちの多くは

 もう死んでいる


 死後に生まれた

 遠く隔たっただれかが読んで

 共感したり

 こころの支えにしたところで

 死者には関係ないことだろうか

 どうでもいいことでしかないのだろうか


 魂が遡行して

 過去が現在になる

 言葉に宿る想い

 伝わらないものが伝わらないまま

 傷口が傷口のまま

 なおも痛ましく


 祈りは消えるもの

 胸中にさざめいて

 届いたのかもわからず

 淡く霞む

 それだけのもの


 言葉にされた祈りは

 望もうと望むまいと

 後世に残ることがある

 祈りの本源から外れてはいても

 それに救われるだれかにとっては

 祈りを祈りたらしめるなにかは

 言葉という

 罪深い不純物を介しても

 なおも不滅の色合いをたたえたまま

 そこにある

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