ぼくを葬る その他の詩

また猫が轢かれる

　パターンに沿って

　動いているだけ

　感情のあるふり

　下手になっていく

　息の仕方に迷っていると

　そのあいだに猫が轢《ひ》かれる

　うずくまって悼もうとすると

　まいにち食べている肉からの説教

　そのあいだにまた猫が轢かれて

　肉たちの説教はヒートアップ

　轢いているのはだれだろう？

　その顔は見えない

　顔を持つ必要がないから

　立ち止まる者から先に死ぬ

　また猫が轢かれる

　肉たちが耳許《みみもと》で怒鳴る

　あと何時間

　ここに立っていなきゃならないんだろう