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空に墜ちた鳥

 死の外形は

 死体しか見えない

 こぼれた涙は

 死の軌跡とわずかに重なる

 時間はただ

 こころを遠くするだけで

 死は過去にならない

 思い出に累積する死

 記憶に憑いて離れない死


 身体がなくなって

 声が消えて

 疑問を忘れて

 恋しかっただれかは

 塵でしかなくて

 鳥が見せない死体は

 空に墜ちて

 曲がり角の先には

 神なんていなくて

 道に塗られた色は

 運命より鮮やかで


 こぼれた涙が嘘でないなら

 死は哀しいと

 自分に言える

 納得できない残余の情は

 胸に哲学の枷をはめて

 自分を少し厭わせる


 嫌いな他人が死んだときに

 後ろめたさを感じたから

 自分は善人だ

 などとは

 信じない方がいい

 その信仰は裏切られるから


 空に墜ちた鳥の死体が

 墓場の月に漂着する

 その休息は見えない

 魂の外形はまだ

 観測された記録がないから

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