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十一月二十五日

 きょうは好きな詩人の誕生日だ

 いま思い出した

 すでに亡くなった詩人の誕生日

 著名な作家が破壊的な死を遂げた日でもある


 生前の詩人が

 その過激な死について何度か触れていた

 事件直後の追悼文では

 動揺と批判と憐憫を交えながら

 切実に受け止めようとして

 講演のときは

 自分の誕生日にそんな死に方をするなんて嫌がらせじゃないかと

 冗談まじりに語ったり


 何十年も経ってからの

 その作家とは特に関係のない主題についての本のなかでは

「彼にとって、生きるということはあまりにもつらすぎたのではないか」

 そう語っていた

 なんとなく

 その言葉が好きだ

 率直に悼んでいるようで


 自分の誕生日に

 親しくはなくとも

 多少なりとも知っている人間が

 忘れがたい死を遂げたというのは

 どんな気分なのだろう

 何十年経っても

 忘れがたいのだろうか

 わからないけれど


 詩人は老齢まで生き延びて

 過激とは程遠い死に方をした

 死に様と人柄は関係ないけれど

 なんとなく

 らしい死に方だな

 なんて思ったり

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