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この人だれなの

 生きるのやめよう

 いつも思う

 この人だれなの

 いつも思う


 だれが生きてるのだろう

 これはだれなのだろう

 自分ということに

 なっているらしい

 でもだれなのかわからない

 それはあなたのことですよ

 本当ですか

 びっくりする

 そのびっくりしているのもだれなのかわからない

 どんどんどんどん離れていく

 自分ということになっているらしいだれかまで

 硝子が十重二十重

 アキレスと亀のように縮まらない距離

 曇ってぼやけて豆粒みたいだ

 あの豆粒が自分らしい

 豆粒が笑ったり話したりしてるらしい

 豆粒が息をしてきょうも歩く

 このつまらない映像

 まだ見つづけなければならないんですか

 硝子の向こうのあれが何をしようと

 どうでもいいとしか思えません

 車に乗っていると

 窓の向こうに現実感がなくて

 異世界を漂っているような気がします

 事故にでも遭って

 窓硝子が砕けたら

 少しは現実感もわくかもしれませんが

 自分ということになっているらしいあの乗り物にも

 事故かなにか起きて死ねば

 この十重二十重の硝子も砕けて

 ああ自分だ

 なんて思えるのでしょうか

 それとも死ぬときも

 硝子は砕けずそのままなのでしょうか

 自分

 死

 なんて遠いんだ

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