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きんきゅうじたい
こどものころのきんきゅうじたいといえば
おしっこをもらしそうなときだった
なんであのときトイレにいかなかったんだろう
まさかこれほどぎりぎりになるなんて
だいじょうぶだとおもってたんだ
まさかこんなことになるとは
もうだめだ
まにあわない
いっかんのおわりだ
こどものころのきんきゅうじたいといえば
そのていどのものだった
これだっておおごとではあるが
ひとがしんだりはしなかった
ひとがしぬようなきんきゅうじたいに
さらされているこどもが
いつでもどこかにいるのだった
そのこどもも
おしっこをもらしたくはないだろうけど
それどころではなく
いっかんのおわりは
ほんとうにおわる