表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
385/917

ヴォネガットとティプトリー

 ヴォネガットとティプトリー

 二人ともSFと呼ばれる作品を残した

 前者はSFに愛憎半ばする想いを抱いた

 後者はSFに熱狂的な愛を捧げた

 二人とも死に近い作風だった

 二人とも自殺未遂を起こした

 前者は階段で転び頭を打って死んだ

 後者は自分の頭を撃ち抜いて死んだ

 二人とも第二次大戦のおり軍人になった

 二人とも皮肉なユーモアを愛した

 前者は二○○七年の春に死んだ

 後者は一九八七年の春に死んだ


 二人に関係は

 特にない

 どちらも個人的に愛読しているだけだ

 ただなにか

 作品から伝わる痛みの在り方が

 どことなく似ている気がする

 ティプトリーは他の作家への手紙で

 ヴォネガットへの批判を書いていた

 ヴォネガットはティプトリーについて

 なにか言ったのかどうかは知らない


 本を読むことは

 死者とつきあうこと

 二人は自分にとって

 とりわけて慕わしい死者たち

 残された言葉に痛みは宿るけど

 死せる魂は安らいでいてほしい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ