37/916
宗教戯れ歌十首
神と会い
遊び疲れて家路つく
神はいまでもひとりで遊ぶ
天使から
もらった花を瓶に差す
水が淀んだ彼奴は悪魔だ
聖堂に
讃美歌ひびき胸さわぐ
ここには誰ももういないのに
神は愛
胸の奥底みちてゆく
神とも愛とも呼ばれるもので
ゲヘナにて
隣の人の荷を盗む
焼きつくされても俺は悪人
山上で
彼の人の訓え聞きながら
空を流れる雲が綺麗だ
蛇は好き
罪そそのかす悪魔でも
巳年に生まれた凡夫の性か
創世記
読むと必ずお腹へる
腹が減っては天地も造れぬ
父と子と
聖霊の御名において詩を
書けば愚作も三位一体
光あれ
太初の御言葉うつくしく
ここにはあらゆる詩が含まれる