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サイクル

 ひとり死んで

 ふたり死んで

 そうしてまた

 ひとり生まれて

 ふたり生まれて


 サイクル

 定められた

 ひとめぐりのサイクル


 芽ぐんで

 咲いて

 枯れて

 散って

 そうしてまた

 四季が移ろって

 時が遷移せんいして


 そうしてまた

 死んだ者は

 枯れた花は

 忘れられるだけなのか

 生まれて死ぬだけなのか

 飽きもせず

 ひたすらに


 く者はくの如きか

 昼夜をかず


 斯くのごとく

 あってほしくなかった

 昼も夜も

 凍りついてほしかった

 なぜ逝ってしまうのか

 それだけでも

 明らかに告げてほしかった

 納得させてほしかった

 いなくなる前に

 去ってしまう前に


 サイクル

 変えることのできない

 ひとめぐりのサイクル


 彼らを止まらせろ……

 これ以上彼らが消え去らないうちに!


 雑踏に向かって

 ページの上で絶叫したセリーヌは

 その引き裂かれた魂で

 自身が消えようとするときに

 どんな叫びを呑み込んだだろう

 差別主義者に落ちぶれたセリーヌ

 猫の好きだったセリーヌ

 五十年以上前に死んだセリーヌ


 墓は

 次々に崩されて

 死者は

 頻々と行方不明になる


 そうしてまた

 すべて忘れられる

 息するものみな

 溶け去って

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