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接触

 接触に

 意味があるとは思えない

 触れたところで

 どうなるものでもないだろう

 なぜみんなは

 不可解なくらいに

 そんなにお互いに触れたがるのか

 小さなころから不思議だった

 だれにも触れず

 だれからも触れられずに生涯を全うできれば

 それに越したことはないのではないか


 無菌室にいたいわけではない

 試験管に残りたいわけではない

 でも接触は

 ごめんこうむりたいな

 手を触れないでほしい

 眼を向けないでほしい

 話しかけないでほしい

 笑いかけないでほしい

 ぼくも触れないから

 わたしも触れないから

 きみもあなたも

 触れないでほしい


 近づきたいと

 初めて思えた相手はいなくなった

 もう接触に

 意味はない

 価値はない

 望みはない

 欲しくもない

 大気圏外の無音の真空

 そんな場所でなら眠れるかもしれない

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