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記憶は答え合わせに向いていない

 電線に鳥がたむろしていて

 家に帰って思い出して

 あの鳥たちは何羽いたかと

 いまさらに気になっても

 記憶だけでは数えられない

 記憶は群れを再現できない

 群れどころか

 毎日みている人の顔ですら

 克明に思い出そうとすると

 欠落に気づく

 記憶は写真ではないから

 外部化されていないから

 答え合わせには向いていない


 けれど死を前にしたとき

 自分の人生が

 悪いものではなかったと

 そう信じたくて

 答え合わせをしたいなら

 頼りになるのは

 記憶だけなのかもしれない

 外部化された肖像が

 いくら立派に飾られていても

 記憶の温もりがなければ

 自分の人生はなんだったのかと

 深い疑念に囚われたとき

 なんの答えも見出だせないだろう

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