319/917
死ぬは一時の恥、死なぬは一生の恥
死ぬは一時の恥、死なぬは一生の恥
死にたがりはそう考える
死にたがりはいつも恥じている
恥のない世界に逝きたがる
強く生きることができない
弱く死ぬことしかできない
いいや死にたがりはまだ死んでいない
死ぬための強さをまだ得ていない
死にたがって死におおせた者を
弱者と断ずる強さはいらない
強者と称える弱さもいらない
わかったように決めつけたくない
他人の死に方を論評するほど
鉄面皮な恥知らずになりたくない
それでも恥は降りしきる
恥は罪ではないけれど
生は罪としか思えない