表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/916

記憶するに足る詩

 短詩形への憧れはある

 寸鉄人を刺す研ぎ澄まされた言葉


 いかのぼりきのふの空の有りどころ


 蕪村のその俳句を読んで

 この短い形式が持つ可能性に震駭しんがいした

 つづめにつづめた言葉で

 鮮やかなイメージを閃かせるその速度

 短い詩はいちど暗唱すると

 生涯忘れることはない

 “いかなる詩も、記憶するに足る文、以上のものではない”

 戦後詩人と呼ばれた詩人はそう語っていた

 詩や詩人への自嘲も含まれるようなその声音に惹かれる

 この評言さえも詩なのだと

 その定義に従えば言える

 とにかくも記憶にあたいするものは貴重だ

 言葉だけに限らず

 記憶するに足る人や風景や感情はすべて詩なのだと

 勝手気ままに定義を延長してしまいたい

 記憶を詩で満たしたい

 やがて死がその記憶を打ち砕いたときに

 いくつかの破片が透きとおった詩であることを願いたい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ