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物語と詩
休憩するために詩を書こう
物語を紡ぐと肩が凝る
疲れが澱のように溜まる
詩は疲れない
物語を語るための言葉には
大量の小石が紛れ込む
詩は不純物を容れさせない
小石を取り除いた言葉をもって詩と呼ぶ
出来の良し悪しはともかくとしてだ
物語には登場人物がいる
身近でありながら他人のように遠い人物
たとえ愛する人物であっても
人付き合いには息のつまるときがある
詩は登場人物を必要としない
必要なのは言葉だけだ
物語は完全な孤独にはたどり着けない
詩は閉じることができる
水底のような孤独に浸りきることができる
筋書きも人物も整合性もいらない
言葉、言葉、言葉
言葉だけが詩だ