表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/916

冬の人魚

 水の凍てつく真冬の海に

 魂のかじかんだ人魚が震えている

 喪った声が

 粉雪となって降りしきる

 入水者じゅすいしゃのような憂鬱に紅顔こうがんを曇らせて

 切なげに手を重ね合わせて

 遠く彼方にいる彼を

 手の届かない夢を想う

 人魚の尾が水草みずくさのように揺れる

 冬の泡沫うたかたに恋が暴れ狂う

 声を喪った冬の人魚は

 喪失の代償さえも得られなかったことで

 こころを藍色に溶けさせていく

 気づかずに流された人魚の涙に

 小魚が先を争うように群がって

 てた哀しみを呑み込んでいた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ