表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/916

夜の枯葉

 闇夜に枯葉が舞っている

 枯葉には死せる魂が宿っている

 秋の残照が葉脈を疾走している

 枯葉については語っても語りつくせない

 語りつくせないことはこの世にあまりにも多い

 たとえば死

 たとえば恋と愛と神と魂

 たとえば三月の風

 たとえば十二月の凍てつく水辺

 たとえば壊れた時計の静止した針

 たとえばバスの窓から眺めた雨模様

 枯葉の話に戻ろう

 いまは夜だが枯葉には夕焼けの匂いが残されている

 枯葉にはいなくなった人たちの哀しみが貼りついている

 枯葉

 黄昏たそがれころも

 わたしがわたしでいなくなったときに

 枯葉はまだ友でいてくれるだろうか

 死にいたる短くも長い旅路を

 寂しい色合いで飾ってくれるだろうか

 枯葉の散り敷かれた薄明の屍山血河しざんけつがを渡りながら

 わたしは惑乱した無表情を浮かべ

 こころだけは守りきることができるだろうか

 枯葉の震えと共鳴したわたしの魂は

 沈黙にくるまれた光をつかみえるだろうか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ