表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/917

ボトルシップ

 瓶の中に碇泊している帆船

 初めてボトルシップを見たとき

 胡桃くるみの中の世界を覗き見たような眩暈めまいに襲われた


 帆船のマストをよじ登り

 彼方まで広がる海原うなばらを見晴るかす

 まだ見ぬ大陸を夢みながら

 でもそこは瓶の中なんだ

 きみの希望を託された紺碧こんぺきの海は

 きみの全世界といえる永遠の青は

 きみの苦手な酔っ払いの船員が持ち歩く

 あの酒瓶と同じ程度の広がりしかないんだ

 きみの夢はそんなものなんだ

 そしてきみはある日に夕暮れの海洋と死に魅せられて

 自ら帆船を飛び降りてしまう

 でもきみの死を包むはずの永遠は

 瓶の中の海でしかなかった

 世界の果てのガラスにようやく気づきながら

 きみは虫けらのようにもがきながら溺れ死ぬ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ